■ ルビはどこまで振るべき?
のぞみ じゃあ、もし「紅葉(もみじ)」のお題を「こうよう」と読ませたい場合は、振りがな(ルビ)をつけたほうがいいんでしょうか?
ショーゼン それは善し悪しですね。どちらでもいい、が正解なの。
公募川柳を選句をしていると、ときどきすべての漢字にルビを振っている句を見かけます。作者が自分の句を正しく読んでほしいと思うからでしょう。でも誰でも読める漢字にルビが振ってあると、読み手はプライドを傷つけられてしまいますよね。ルビの多用は安易な印象を与えるから気をつけて。
ルビをつかって句をうまく見せるやり方というのは、たとえばこういう句。
花開く思い出せない女性〔ひと〕一人 昌善
のぞみ なるほど、本来の読みではないけど、これならリズムも整うし、言葉の意味が膨らみますね。
ショーゼン キラキラネームと違って、本来と異なる読みでもある程度の認知度があり、常識的なものならアリなんです。
こだま 最後にちょっとナゾナゾ。これ読める?
子子子子子子子子子子子子子子
「ねこのこ こねこ ししのこ こじし(猫の子 子猫、獅子の子 子獅子)」。さすがにここまでくると、ルビがないと読めないわね(笑)