2024年12月15日(日)

BBC News

2024年11月22日

アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は21日、司法長官にパム・ボンディ前フロリダ州司法長官(59)を指名した。当初はマット・ゲイツ前下院議員(42)の起用を発表していたが、ゲイツ氏がこれを辞退した。同氏をめぐっては未成年との性行為や性的人身売買、薬物使用などさまざまな疑惑があり、指名に異論が出ていた。

ゲイツ前下院議員は21日、自分についての論争が次期大統領の活動の「妨げ」になっているとして、司法長官指名を辞退した。

BBCがアメリカで提携する米CBSニュースによると、ゲイツ氏はトランプ次期大統領とJ・D・ヴァンス次期副大統領それぞれに電話をかけ、指名を辞退すると伝えたという。

辞退から約6時間後、次期大統領は司法長官にボンディ前フロリダ州司法長官を起用すると発表した。

次期大統領は「パムは20年近く検事を務め、凶悪な犯罪者に非常に厳しく対応し、フロリダ州の一般家庭のために安全な街をつくってきた」とソーシャルメディアに投稿した。

ゲイツ氏は、未成年との性行為や性的人身売買、薬物使用、選挙資金の不正使用、収賄などの疑いについて司法省が一時捜査したほか(不起訴)、下院倫理委員会が調査を受けた。本人は一切の疑惑を否定している。

論争の拡大を受け

ゲイツ氏が次期政権の司法長官候補として過ごしたのは、わずか8日間だった。

トランプ次期大統領による政権人事は物議を醸し、連邦議会の民主・共和両党の議員に衝撃を与えた。

ゲイツ氏の指名が発表されると、未成年との性行為や薬物使用などに関する疑惑に関する下院倫理委員会の報告書の詳細を、米メディアが報じるようになった。

本人は一切の疑惑を否定している。下院倫理委員会は報告書を公表していない。

それでも、ゲイツ氏に対する圧力は高まり続け、指名を辞退するに至った。

ゲイツ氏は指名された当初は下院議員だったが、指名直後に辞職している。当時は下院倫理委が報告書を公表すべきか議論している最中で、ゲイツ氏が議員辞職したことで、報告書が公表されるのか不透明な状態になった。

パム・ボンディ氏とは

ボンディ氏は、長年にわたり次期大統領を支持してきた。

トランプ氏が2021年1月6日の連邦議会襲撃を扇動したとする弾劾裁判では、法律顧問と弁護人を務めた。

今年5月に次期大統領がニューヨーク・マンハッタンの裁判所に出廷し、メディア対応した際にも、ボンディ氏の姿が確認されている。

2020年大統領選の際の共和党全国党大会でも登壇し、トランプ氏の当選を強く呼びかけた。

ゲイツ氏は自分に代わり司法長官に指名されたボンディ氏について、祝福メッセージをソーシャルメディアに投稿した。

「パム・ボンディがトランプ(次期)大統領から司法長官に指名された。すばらしい人選だ。パムと私は、彼女がフロリダ州司法長官だった時や、私が州議会の刑事司法小委員会の委員長だった時に緊密に連携していた」

「彼女は実績ある訴訟弁護士で、インスピレーションを与えるリーダーで、すべてのアメリカ人のために闘う人だ。彼女が、司法省に必要な改革をもたらすはずだ」

ボンディ氏はマルコ・ルビオ上院議員(53、フロリダ州)が国務長官に指名されたことを受け、次期大統領の義理の娘ララ・トランプ氏を上院議員に選ぶべきだと声高に働きかけている。

「誰が最有力候補なのかは知らないが、極めて適任なのはララ・トランプだ」と、ボンディ氏は今月上旬にフロリダ州の政治サイト「FloridaPolitics.com」に語っている。

ララ・トランプ氏は次期大統領の次男エリック・トランプ氏の妻で、今年3月から共和党全国委員会の共同委員長を務めている。

(英語記事 Trump nominates Pam Bondi for attorney general after Matt Gaetz withdraws

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cp3nxd48075o


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