2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月28日

 ・国連海洋法条約の批准に向けて、あらためて努力する

 ・フィリピンによる国連への紛争調停の申請は、地域の重要な先例になるものであり、これを引き続き支持する

 ・ASEANが南シナ海の命運を決する上で中心的役割を果たせるよう、その指導力を強化し、さらに、南シナ海に関する行動規範の実現を迫る

 ・インドネシアとの包括的パートナーシップの深化を図り、同国の地域的ステークホルダーとしての役割を促進する

 そして、アジアは世界の成長のエンジンとしての役割を果たしつつあるが、その不安定化のリスクは日々増大している。中でも今後十年間の南シナ海のリスクより大きいものは無い。米国は、アジアにおける指導的大国として、2013年、またそれ以降、南シナ海の平和を守る困難な役割を果たさねばならない、と結論づけています。

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 南シナ海への中国の進出に対する米国の対策は、ヒラリー・クリントン国務長官の時代に始まったものであり、このクローニンの論説は、特に新しい内容のあるものではありません。オバマの第二期政権となって、クリントンの敷いた路線が継承されるかどうか分らなくなっているこの時点で、もう一度その政策を強調しているのがこの論説であると言えるでしょう。

 注目すべき点があるとすれば、南シナ海に紛争を持たない公平な第三者としての、インドネシアの役割に期待していることです。ASEANに南シナ海問題で重要な役割を果たしてもらうには、その盟主であるインドネシアを抱き込むことは大前提です。

 中国の軍事力の増大によって、周辺諸国、特に南シナ海沿岸諸国が脅威を受けているのに対して、米国がこれを助けられる唯一の国として援助すべきだということは、国際政治の自然な流れであり、オバマ第二期政権といえども、これに背を向けることはできないでしょう。日本もまた、このクリントンが敷いた路線をアメリカが継承するよう期待するのは当然のことです。

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