2024年12月4日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月28日

 米新アメリカ安全保障センター上席顧問のパトリック・クローニンらが、5月3日付Diplomat誌ウェブサイトで、中国の南シナ海進出は、紛争の平和的解決と航行の自由という米国の原則に反するものであるが、これに対して、外交的手段だけでは対抗できないので、アメリカは同盟国の軍事能力を高め、法の支配を進めるとともに、ASEANと中国との間の信頼醸成措置を推進しなければならない、と論じています。

 すなわち、習近平は、「中国の夢」をスローガンにして、ナショナリスティックな旗を掲げている。これに対するASEANの共同対処はカンボジアの反対で実現しなかった。国際裁判の適用も中国は拒否している。

 このように外交手段だけでは対処できない事態に対して、米国は、軍事的に、次のような措置を取るべきである。

 ・同盟国やパートナー国の能力を強化し、侵略に対する最低限の防衛力を持たせる

 ・米国の海軍や沿岸警備隊がパートナー国の軍や海事警察を訓練し、事故や誤解が起きる危険性を減らす

 ・人道支援、災害救助や海賊対策のような、共通の利益に取り組む低強度作戦についての共同訓練を通じて、関係国の軍同士の間に信頼醸成措を構築、促進する

 ・地域の軍事関連活動に中国を参加させる

 また、軍事外交は、米国の価値に合致するルールに基づく紛争解決策や透明性を後押しする外交関与によって補完されなければならず、そうした外交的、政治的優先課題として、以下のことをすべきである。


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