2025年1月8日(水)

BBC News

2025年1月6日

アメリカで初となる車の「渋滞税」制度が5日、ニューヨーク市で始まった。悪名高い同市の交通問題の改善と、公共交通網整備のための資金調達が目的。

対象となるのは、セントラル・パークの南側一帯。エンパイア・ステート・ビルディング、タイムズ・スクエア、ウォール街周辺の金融街などが含まれる。

この区域に乗用車を乗り入れる人は、ピーク時間帯で1日につき9ドル(約1400円)、それ以外の時間帯は2.25ドル(約355円)を支払う。

小型トラックと通勤通学用以外のバスは、ピーク時間帯にマンハッタンに入るのに14.40ドル(約2270円)、大型トラックと観光バスの場合は21.60ドル(約3400円)を支払う。

渋滞税については、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事が2年前に提唱した。だが、通勤者や企業などからの苦情が噴出し、延期と修正が重られてきた。

今回実施されたのは、同知事が昨年6月に、「ニューヨーク市民にとって意図しない影響が大きすぎる」として一時停止していた措置。

渋滞税に対しては、タクシー運転手の団体など多くの組織や人々が反対している。特に目立つ反対勢力が、有名なニューヨーク市民のドナルド・トランプ次期大統領で、今月20日に大統領に復帰したら廃止させると公言している。

地元の共和党関係者らはすでに、トランプ氏に介入を求めている。

ニューヨーク市の北郊を選挙区とするマイク・ローラー連邦下院議員は11月、「このばかげた渋滞料金の収奪をきっぱりと終わらせる」ようトランプ氏に要請した。

隣接するニュージャージー州の当局は、近隣地域への環境影響を理由に、この制度を実施直前に阻止しようとしたが、裁判所がこれを退けた。

交通データ分析会社INRIXによると、ニューヨーク市は昨年2年連続で、世界で最も渋滞が激しい都市だった。昨年1~3月にマンハッタンのダウンタウンを朝のピーク時に走行する車の平均速度は時速17キロメートルだったとされる。

(英語記事 New York becomes first US city with congestion charge

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cy8932853x6o


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