アメリカの大富豪イーロン・マスク氏が、イギリスで過去に起きた集団的な児童性的搾取事件について、イギリス政府を攻撃している。
スターマー首相は6日、これについて初めて記者団の質問に答え、「うそに基づいて行われている一連の議論や討論」を非難した。
首相はマスク氏を直接批判しなかったが、同時にこの騒動に「便乗する」保守党幹部らを、名指しせずに非難した。
英労働党政権は昨年10月、2000年代にイングランド北西部グレーター・マンチェスターのオールダムにおける性的虐待事件に関する調査をあらためて実施し、政府が主導すべきというオールダム行政区からの要請を断った。調査は地方自治体が主導すべきだと、政府は述べている。
スターマー政権のこの決定についてマスク氏は、2008年から2013年にかけてイングランドとウェールズの検察トップだった当時のスターマー氏が「レイプ・ギャング」を適切に起訴しなかったと主張し、「イギリスのレイプに加担した」などと攻撃している。
スターマー首相は記者会見で、検察での自分の実績を擁護。公訴局長だった5年間、児童性的搾取の問題に真っ向から取り組み、退任までに過去最多の起訴を実現したと語った。
一方で、昨年まで14年間にわたり政権を握っていた保守党が、この件について何もしなかったと批判。今では注目を集めるために騒動に便乗し、極右の主張を増幅させていると非難した。
クリス・メイソン政治編集長が報告する。