2025年2月17日(月)

BBC News

2025年1月29日

インド北部プラヤグラージで29日未明、世界最大級の宗教行事とされるヒンドゥー教の「クンブ・メラ」の最中に、参加していた信者らが次々と転倒するなどし、当局によると少なくとも30人が圧死した。

警察は、60人が負傷したとしている。死傷者に関する公式発表が遅れたことから、当局の透明性を批判する声が野党幹部などから出ている。

目撃者の話などによると、この日午前1時から2時の間に、インドで最も神聖とされるガンジス川とヤムナ川、神話上のサラスワティ川が合流するとされる地点「サンガム・ノーズ」で、沐浴(もくよく)をしようとした信者らが、警察のバリケードを飛び越えようとした。その後、人々が次々と倒れたという。

ウッタルプラデシュ州のヨギ・アディティヤナート州首相は29日、信者らが重傷を負っていると述べた。人数は明らかにせず、死者が出ているとの報道については触れなかった。

ナレンドラ・モディ首相は同日、X(旧ツイッター)への投稿で、家族を亡くした信者らに哀悼の意を表した。公式に圧死者が出たことを認めたのは、この投稿が初めてだった。

BBC記者は、現場付近が大混乱に陥っている様子を伝えた。地面には服や靴、毛布、バックパックなどが散乱し、人々はその場から逃げようとしていた。

群衆の中にいたアイーシャ・ミシュラさんは、「みんな四方八方に動いていた」、「押し倒されたり、倒れたりしていた。子どもたちは群衆に押しつぶされそうになっていた」とBBCに話した。

「クンブ・メラ」は今月13日に始まった。ヒンドゥー教の信者らは、この川で沐浴すれば罪が清められ、救いが得られると信じている。

これまでに2億人が沐浴しており、2月26日までの期間中、さらに何百万人もがこの川を訪れるとみられている。

1月29日は「マウニ・アマヴァーシャ」と呼ばれる日に当たり、この行事の中で最も重要な沐浴の日とされていた。圧死事故があったにもかかわらず、大勢の信者らが訪れ続けた。

当局によると、この日だけで最大1億人の参加が見込まれた。同日午後2時までに5000万人近くが沐浴を済ませたという。

インドでは群衆事故が頻発しており、多くの人命が失われている。ウッタルプラデシュ州では昨年7月にも、ヒンドゥー教の宗教行事で大人数が関わる転倒があり、少なくとも121人が死亡した。

(英語記事 Thirty killed in crowd crush at India's Kumbh Mela festival

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/czep6ll0dr9o


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