2025年3月27日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年2月17日

 カーネギー国際平和基金フェローのプロコペンコが、Foreign Affairs誌(電子版)に1月21日付で掲載された論文‘Putin Is Not Yet Desperate-Economic Pain Won’t Turn the Tide in Ukraine’で、ロシアの戦争経済のモデルは長期にわたる持続性をもたないが、経済問題がプーチンの決意を変えさせるまでにはなお時間を要するとして、西側によるウクライナ支援の継続と対露制裁の維持・強化の必要性を指摘している。要旨は次の通り。

(vladj55/gettyimages・代表撮影/AP/アフロ)

 プーチンの現在の戦略が持続不可能であることは間違いない。ロシアにとり、ウクライナとの戦争、国内の有権者に幻想を抱かせるための社会インフラの高額支出、マクロ経済の安定という三つすべてを永続的に行うことは不可能だ。

 一つ目と二つ目の目標を達成するには多額の現金支出が必要で、それがインフレを加速させ、三つ目の目標の達成を妨げる。またロシア経済の亀裂はますます明らかになっている。

 西側の政治指導者たちは戦争が早く終わることを望んでいるが、西側の期待は誤った仮定に基づいている。ロシアの経済的課題はまだそれほど深刻ではないので、近い将来に戦争に意味のある変化をもたらすことはない。

 クレムリンは何よりも戦争を優先している。2022 年の侵攻以来、防衛と安全保障のニーズが毎年連邦支出の大半を占め、25年予算では総支出の40%、国内総生産(GDP)の8%以上を占めている。

 クレムリンの支出ラッシュは経済を支え、表面的には成長と低い失業率で安定しているように見えた。22年から24年にかけて、追加政府支出はGDPの10%を超える財政刺激策となった。

 しかし、戦争初期の経済拡大は減速している。24年の第2四半期から第3四半期の間に、ロシアのGDP成長率は4.1%から3.1%に低下した。

 ロシアの経済成長に対する構造的制約を無視することはますます難しくなるだろう。最も重要な点は、ロシアは生産能力を使い果たし、労働力不足に陥っていることだ。労働市場の逼迫により、特に工業地域で賃金が上昇し、企業の収益性を圧迫している。


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