最近、手紙を書いたことがあるでしょうか？
メールやSNSのチャットがありますが、感謝の気持ちや愛の言葉は、自分の手で書くからこそ、より相手に伝わるのだと思います。ところが問題は、そんな手紙を書く場所がないということです。例えば、同居している家族に向けて自宅で手紙を書くとなると、ちょっと気分が乗りません……。
私はグラングリーン大阪での仕事に携わるようになって、大阪市内を散策することが多くなりました。その時に出会ったのがポスト舎です。
レトロなビルの５階にあり、雑貨や文具が並ぶお店の中は外国かと見紛うほどです。目の前の靱公園を望むことができる窓にはアンティークな机が２台並んでいます。「最初から２台の机を置きたいというイメージがあったんです」と、ポスト舎の石田朝子さんは言います。
「夫がグラフィックデザイナーをしているのですが、事務所を立ち上げる際に、誰でも訪れてくれる場所にしたいと思いました。色々な『紙』を集めることが趣味だったこともあって、雑貨店を併設することにしたんです。お店の場所を探している時に、10年ぶりに貸し出しとなった物件が『たった今、出ました』と聞き、すぐに内見して、この窓が気に入って、夫には相談せず、即決しました」
実際、レジ奥の部屋は夫の典章さんの事務所になっています。ポスト舎で販売されている便箋と封筒は全て手作りです。ドイツを中心に年に１、２度買い付けに出かけているそうです。
