パキスタンの首都イスラマバードの裁判所近くで11日、自動車が爆発・炎上した。モーシン・ナクヴィ内相は、自爆攻撃で12人が死亡し、少なくとも27人が負傷したと発表した。
爆発は午後12時39分に発生した。
ナクヴィ内相によると、爆破犯は地方裁判所への攻撃を企てていたが、内部に進入できなかったという。
当局が爆破犯の身元特定を進めており、事件に関与した者を裁きにかけると、内相は述べた。
同国のシャバズ・シャリフ首相は、「インドが積極的に支援する」過激派組織が関与したと主張している。
シャリフ氏は声明で、「インドのテロ代行者による、パキスタンの非武装の市民に対するテロ攻撃は非難すべきものだ」と述べた。
インド政府の報道官は、パキスタン側の発言は「根拠のない、事実無根の主張」だと反論した。
地元メディアによると、武装組織「パキスタンのタリバン運動」(TTP)の分派「ジュマート・ウル・アフラール」が犯行声明を出した。しかし、現地の2人のジャーナリストは、TTPの中央指導部が爆発への関与を否定するメッセージを送ってきたと、BBCに語った。
イスラマバードでは近年、自爆攻撃はあまりみられていない。11日の現場の映像には、焼け焦げた車両や、警察の規制線が映っている。
ナクヴィ内相は、負傷者27人は治療を受けていると説明。実行犯について、最大15分間待機した後、警察車両の近くで爆発物を起爆させたと付け加えた。
事件後の現場の映像では、焼け焦げた車両から煙が上っているのが確認できる。その周辺には警察がバリケードを築いている。
パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領は、「自爆攻撃を強く非難する」と述べた。
発生当時、裁判所の外に車を停めていたという弁護士ラスタム・マリク氏は、「大きな爆発音」を聞き、周囲は「完全に混乱状態だった」とAFP通信に語った。
「弁護士や人々が建物内を走っていた」、「門のところに2人の遺体があって、数台の車が燃えているのが見えた」と、マリク氏は付け加えた。
一方でインドの首都デリーでは10日、車が爆発し、8人が死亡、多数が負傷している。
インド政府はこの事件をテロ攻撃とは呼んでいないが、対テロ機関に捜査が付託されている。
インドのナレンドラ・モディ首相は事件後、「この凶悪な行為背後にいる共謀者は、責任を免れることはできない。陰謀がどれほど根深いものであっても、責任を負う者は全員裁かれる」と述べた。
しかしこれまでのところ、爆発の原因については公式な発表はない。
イスラマバードで最後に自爆攻撃があったのは3年前で、この時は警官1人が死亡し、数人が負傷した。
その後は、パキスタンのほかの地域では自爆攻撃が起きているものの、イスラマバードでは起きていなかった。
(英語記事 Suicide bombing in Islamabad kills 12, says Pakistan's interior minister)
