2024年5月1日(水)

佐藤悦子 バランス・マネジメント

2010年1月26日

2:そのために、私が周りから求められているのは、「プロジェクトを成功につなげるためのサムライ全体のクオリティ管理です。作品としてのクオリティは当然ながら各スタッフの対応、スピード、社内のモチベーションアップ、そのブランド認知率や売上の向上など、経過や結果を含めてすべてがクオリティですから、ときには「サムライが対外的にどのように映るのかについての管理」が重要なこともあります。

心が落ち着いて気に入っている紫の名刺入れ

3:このようなことが自分の軸としてわかっていれば、自分が今とるべき行動というのも自然と見えてきます。混乱は多くの場合、遠く大きな目標と目の前にある解決すべき問題のレイヤーが入り混ざり、いちばん大切なものは何か、そのために切り捨てなければならないことは何かの基準がぶれてしまうことによって引き起こされているということが多々あるかと思います。どのような細かいことであっても、1、2のような視点を忘れなければ判断の軸もぶれないのではないでしょうか。

伝え方次第で、プロジェクトは成功にも失敗にも……

 「プロジェクトが成功する」ために必要不可欠な要素が、クライアントをふくめた全体の流れのなかで見落とされていることに気づくこともあります。

 たとえそれがサムライ内部だけの問題ではないという場合であっても、「プロジェクト全体の成功」というゴールが明確になっていれば、クライアントや外部のスタッフにも嫌みなく提案できやすいように思います。

 もちろんこのときも自分の立場をわきまえることがとても大事で、どのように伝えればよいかということにも配慮します。

 たとえばクリエイティブに関する意見を、私から直接クライアントやスタッフに対して言うことはありません。なぜなら答えはとてもシンプルで、私はクリエイターではないので、クリエイティブに関することに口をはさむ資格はないからです。もしもどうしても「これは全体の進行とクオリティにも影響がでるのではないか?」と危ぶまれるようなことが、クリエイティブに関して感じられたときには、まずは佐藤に相談します。それについて彼も同感である場合、あるいはその打診をきっかけに新たに感じたことがある場合、本人からクライアントや関係者に提案してもらうようになっています。

体の軸がぶれなければ、ジャッジもぶれない

 このように「自分の軸」を磨くために、現場で気をつけていることは、これまでに述べさせていただいた通りですが、最後にもうひとつ特筆したいのは……「体の軸を鍛えること」です。体の軸がぶれなければビジネスにおけるジャッジの軸もぶれることがなくなるのを実感しています。体調が優れないと精神的にも悪影響がでるのは言うまでもありませんし、私たちは加齢とともに、体力が衰えていくことは避けて通ることができません。だからこそ意識的に、体を鍛えて、肉体的な軸をきちんとさせることがとても大切だと思っています。精神的にも余裕が生まれ、ちょっとしたことでイライラしなくなりますし、ここぞというときの踏ん張りもきくようになります。

 日々忙しいと、目の前のことに追われて、トレーニングはつい後回しにしてしまいやすいことかもしれません。ですが、体を鍛えていることは、長い目でみれば、あらゆる局面においてより良い方向につながるのではないでしょうか。実際、佐藤も私も平日の1日と、週末の1日、合計毎週2日間は各々90分ずつを、スポーツジムでパーソナルトレーナーと過ごす時間に充てています。ボディコントロールをライフスタイルに取り入れて今年で7年目になりますが、その継続も手伝って、今があると思っています。

 次週は、全体を進行管理していくうえで、最大の落とし穴をおびき寄せるかもしれない「過信」を捨てることの大切さについて、ご紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。



 


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