風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2010年4月22日

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野村 滋 (のむら・しげる)

株式会社コンテンツ・ファクトリー代表

情報誌会社勤務時代に取材で、創立間もない風の谷幼稚園と出会う。その後12年間、風の谷幼稚園の変遷を追い続けている。風の谷幼稚園の教育実践記『4歳の胸のうち』『5歳の誇り』を同社から出版。

・「島ひきおにとケンムン」 (14人)
・「へえ六がんばる 」 (7人)
・「ごんぎつね」 (4人)
・「泣いた赤おに」 (2人)
・・・・
それぞれについて“ここがおもしろいから”、“ここがいいから”と、理由を言っていきました。それを聞きながら、頷いている子もちらほら。ひとまず、自分はどれがいいと思うのか聞いてみたところ、人数はこのようになりました。(他にもたくさんの候補がありましたが、“ここがいい”という理由が明確にならなかったものは検討から外しました)
そして、それぞれがいいと思う理由は以下のようなものでした。

『島ひきおにとケンムン』(山下明生作・階成社)

○「島ひきおにとケンムン」を選んだ理由
・島ひきおにがケンムンのことを最後まで守ろうとするところがいい
・子どもたちが「誰か屁ぇこいたやつがおるな」と言い合うところが面白い
・ケンムンと島ひきおにが、これまでの自分はどうだったかと話をして友だちになるところがいい
・ケンムンとおにが友だちになって楽しく遊ぶところがいい
・面白いところもあるし、ちょっと悲しいところもあって、いろんな(気持ちの)ところがあるのがいい

○「へえ六がんばる」を選んだ理由
・へえ六さんがなんでも「へぇよごす」って言っちゃうところが面白い
・火の玉太郎が油にすべって転がりまわるところが面白い
・へえ六がかっぱのために火の玉太郎のところへ行くところがいい
・火の玉小僧と何百何千のかっぱの小僧との戦いのところが面白い

○「ごんぎつね」を選んだ理由(真・光敏・凛・智康)
・ごんが本当はやさしいきつねなところがいい
・最後の場面で兵十がごんを撃ってしまったところがいい
・兵十がごんを打ったあとで“ごんが今まで持ってきてくれたのか”と気づくところがいい
・ごんが兵十に悪いことをしたなって思ってくりやまつたけを毎日届けるところがいいと思った

○「泣いた赤おに」を選んだ理由(悠・奏)
・赤おにと人間が仲よくなったところがいい
・青おにが最後、赤おにのことを思って旅に出るところがいい

面白い話も好きだけど『面白さ』の種類が、単純に“面白おかしい”ではない理由があがりました。
風2組 学級通信「麦」より

 このように意見が分かれたところで、ここからが話し合いとなる。

 ここで話は一寸横道にそれるのだが、このエピソードの最後の一文にもあるように、子どもたちが演じたいと思っている物語は、単に“面白おかしい”ものではなく、喜怒哀楽のあらゆる感情が含まれている奥深い物語であることに着目していただきたい。これは年中児クラス(4歳児)と年長児クラス(5歳児)の顕著な違いである。

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