著者紹介

廣瀬陽子 （ひろせ・ようこ）
　慶應義塾大学総合政策学部教授

1972年東京生まれ。専門は国際政治、コーカサスを中心とした旧ソ連地域研究、紛争・平和研究。主な著作に『旧ソ連地域と紛争――石油・民族・テロをめぐる地政学』（慶應義塾大学出版会）、『強権と不安の超大国・ロシア――旧ソ連諸国から見た「光と影」』（光文社新書）、『コーカサス――国際関係の十字路』（集英社新書）【2009年アジア太平洋賞特別賞受賞】など。

  • ウクライナにコメディアン大統領誕生、東部問題に…

    2019/04/26 廣瀬陽子

    ウクライナで新大統領が誕生した。コメディアンで俳優のウォロディミル・ゼレンスキーである。政治経験のないこの新人大統領を、緊張関係にあるロシアはどのように見ているのだろうか。

  • 北方領土返還、島民の本音と日本ができること

    北方領土訪問記（後編）

    2018/09/06 廣瀬陽子

    8月末に国後島と色丹島を訪れた。最初の印象は、根室から肉眼で見ることもできる近い島なのに、大変遺憾ながら、遠い島と感じてしまった。ロシアの実効支配が進む現地では、同様に人々も日本に対して心理的距離があり、複雑な思いを抱いているようだ。

  • ここまでロシアの実効支配が進んだ国後島・色丹島

    北方領土訪問記（前編）

    2018/09/05 廣瀬陽子

    2018年8月末、台風20号が迫り来る中、ビザなし交流の枠組みで北方領土の国後島と色丹島に訪問する機会をいただくことができた。今回の訪問で一番驚き、またショックだったのがロシアによる北方領土の発展が目覚ましく進んでいたことである。

  • プーチン再選もまったく明るい展望が見えないロシア

    2018/03/19 廣瀬陽子

    3月18日にロシア大統領選挙が行われた。現職のプーチン大統領の再選は間違いないと世界は見ていたが、プーチン本人は勝ち方に極めて過敏になっていたという。選挙はプーチンの期待通りの結果だったのだろうか、また、今後のロシアはどこに向かっていくの…

  • ロシアが「綱渡り」しながらも北朝鮮を支援する理由

    2017/12/04 廣瀬陽子

    北朝鮮の国際的孤立が深まる中、ロシアは奇策も用いながら支援を続けている。死活的利害がないにもかかわらず、ロシアはなぜそのような行為を続けるのだろうか。

  • 「史上最低」な米露関係、お互い「引けない」理由

    2017/08/08 廣瀬陽子

    トランプ政権において、ロシアゲート問題は最も深刻な爆弾の一つとしてトランプ一族及び側近をずっと脅かしてきた。

  • 深まる中露関係、募るロシアの不満

    2017/05/31 廣瀬陽子

    中露が関わるプロジェクトは、地域発展を目指すものやエネルギー関連の協力強化が主軸となっており、経済規模も大きい。一方で、ロシアの期待が裏切られているのもまた事実だ。

  • 広がるロシアハッキング問題の波紋、オバマがトラ…

    2017/01/10 廣瀬陽子

    ロシアが米国選挙に際して情報によって影響を与えようとするのは、ソ連時代から続いてきたことであり、決して新しいことではない。

  • ドーピングにフーリガン、スポーツを政治利用する…

    ソ連時代の悪しき慣習の再来？

    2016/07/12 廣瀬陽子

    ソ連、そしてロシアにとって、スポーツは歴史的に国威発揚を図るとともに欧米に並ぶ「大国」であることをアピールするための重要な手段であった。

  • NATOの動きに苛立つロシア　 強まる包囲網に…

    2016/06/08 廣瀬陽子

    そもそもロシアはNATOの存在それ自体に大きく反発している。加えて、NATOの拡大や反ロシア的な動きに対し、常に反発し、時に対抗措置もとってきた。

  • 2016年ロシアの展望やいかに

    2015/12/31 廣瀬陽子

    ウクライナやシリアの問題に加え経済低迷にも悩まされた2015年はロシア苦難の年であった。2016年、ロシアは諸問題を解決出来るのか。

  • 反テロで協調を狙うも ロシアが背負う新たな脅威

    トルコ軍によるロシア機撃墜で広がる余波

    2015/11/25 廣瀬陽子

    テロを西側との融和の好機にしようとするロシア。その一方で、新たなテロの脅威にもさらされている。

  • シリアに介入するロシア その複雑な背景と思惑

    2015/10/16 廣瀬陽子

    ロシアの国際的なポジションを高めつつ、かつ内政も安定させ続けるための様々な思惑を反映した上での動きとは？

  • 米ドルとブレトンウッズ体制の終焉 BRICS、…

    AIIBとBRICS銀行が、IMF、ADBに取って代わると宣言

    2015/08/20 廣瀬陽子

    ロシアで行われたBRICS、SCO両会議。ブレトン=ウッズ体制とドル基軸体制に実質的な最後のとどめを刺した。

  • ロシアの戦勝70周年記念日 したたかな習近平…

    2015/05/11 廣瀬陽子

    モスクワで開かれた対独戦勝70周年を記念する式典・軍事パレード。欧米との関係が厳しくなっているなかで、ひときわ重要な意味を持った。

  • 効果に乏しい欧米の対露制裁 拍車をかける中国

    中国主導のAIIBに参加するロシア

    2015/04/09 廣瀬陽子

    欧米主導の対露制裁は、効果が出ていないどころか米国の世界経済戦略を脅かす結果すら生んでいる。その趨勢を刺激しているのが中国であり…

  • ロシアの経済危機は ウクライナ問題がなくとも予…

    2015/01/13 廣瀬陽子

    昨年末からロシアの経済状況がかなり深刻になっていることが日々伝えられている。その影響はロシア国内のみならず、国際的にも広がり…

  • ロシアにも宣戦した 「イスラーム国」の脅威

    2014/10/29 廣瀬陽子

    オバマ大統領が挙げた世界の3つの脅威―。エボラ、ロシア、ISIS。しかし、ロシアにとってはISISも大きな脅威となっているようだ。

  • ウクライナ 停戦成立でも真の和平は遠く 日本…

    2014/09/19 廣瀬陽子

    ウクライナ東部で続いていた親ロシア派とウクライナ政府の間に停戦が成立したが、それは平和や問題解決を意味するものではない。

  • マレーシア機撃墜事件で悪化した日露関係

    欧米・ロシアの間でバランスをとる日本

    2014/08/14 廣瀬陽子

    マレーシア機撃墜事件によって対露制裁に及び腰だったEUがロシアへの態度を硬化させた。北方領土問題を抱える日本の置かれた立場は…