2024年12月23日(月)

From LA

2018年6月21日

 ウーバー、リフトに代表されるライドシェアは近い将来車を保有するコストを下回り、自分で車を買う代わりにどこに行くのもライドシェアを利用する人が増える、という予測がある。ライドシェアばかりではなく、電動自転車やバイクのシェア、カーシェアリングも今後ますます増加が期待されている。

(Ildo Frazao/iStock)

 そんな中で問題となるのが自動車保険のあり方だ。車を持っている人は当然自動車保険に加入しているが、自分の保険ではライドシェアに乗車中の事故、あるいはカーシェアリングでの事故はカバーされない。もちろんウーバー、リフト共に乗客に対する保険を提供しており、事故の場合現在の米国では最高で100万ドルが補償される。

 しかしこうした保険は条件や免責事項が厳しく設定されており、例えば乗車中に運転手の過失ではなく乗客が負傷した場合、例えば悪天候のため車が破損した、他のドライバーの過失による事故、といった場合、確実に乗客に対する補償が降りるとは限らない。また補償を勝ち取るために裁判に発展する可能性もあり、緊急事に現金で対応しなければならない場合、乗客側の負担となることも考えられる。

 そこでロサンゼルスとニューヨークに登場したのがライドシェア専用の個人保険だ。「ライドセーフ」と名付けられたこの保険、元々個人の盗難や賠償保険などを提供していたシュア社が新たなサービスとして今年6月に始めたもの。ウーバー、リフトに限らず今後登場が予想される自動運転のライドシェアや自転車、スクーターのシェアなどにも対応して行く予定だという。

 保険がカバーするのはライドシェア中の事故での負傷、死亡事故だ。ライドシェア側の保険が直ちに適用されない場合、病院費用などをライドセーフが負担する。死亡の場合の賠償額は10万ドルと多くはないが、保険料を低く抑え、もしもの時の一時金、という利用法が期待される。

 シュア社CEOウェイン・スレービン氏はライドセーフについて「ライドシェアを頼むと同じくらい簡単に加入、補償が受けられるセーフティネットだ」と説明する。実際保険の加入はスマホアプリから申し込みができ、事故の報告もスマホで行える。ライドシェアに限らずこれからの社会は交通機関の予約支払いまで、スマホで行うのが中心になる。ならば保険もスマホアプリで簡単に、という考え方だ。

 ライドセーフの使い方は簡単で、アプリをダウンロードしユーザーが持っているウーバーやリフトのアカウントと同期させる。これだけでユーザーがライドシェアを使った際に自動的に保険が適用されるようになる。価格は24時間単位で2ドル40セント。ライドシェアを利用しない限り保険料も発生しない。


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