家電口論

2018年10月16日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

再度学べ、ドラクエの思想

ポケモンGOはARゲームとして大ヒットを飛ばしました。これはポケモン自体が「採集」という「動いて、ゲット」という要素を持っていたからです。

では、それに続く、ARゲームが出てこないのは何故でしょうか? それはゲーム世界と現実世界が異なっているからです。今回、2つのイベントをアーだコーだと書きましたが、本来、この2つは分けるべきモノではなく、融合すべきものです。そうすると、すごく面白いです。

 ここで私が思い出すのは、ドラクエこと「ドラゴンクエスト」(1993年、スーパーファミコン版)です。当時、100万本を売り上げたスーパーゲームです。やはり当時感心したのは『「限られた容量」の中に、いかにして膨大な容量のデーターを入れるのかということに、実にうまくアプローチしたのかと言うところです。当日のデーターを紐解くと、ゲーム容量は、12MB。CD-Rの基本容量が750MBであることを考慮すると、とてもでな小さいです。今の世の中だと、さじを投げたくなるような小容量です。音楽はまだしも、画を入れると「あっ」という間になくなります。

 しかし、それでもドラゴンクエストが名作たり得たのは、ある種の「ゲーム文法」を作ったからです。例えば、遠くへ移動する時、パーティーは大きな地図で移動します。これが小さいと逐一、シーンを作らなければなりません。容量が必要となります。それを回避したわけです。またドラクエで、主人公の後ろ姿はありません。リアルという意味では、後ろ姿はなければならないのですが、ゲーム的にはそんなに重要ではありません。こうやって、少ない画で、複雑なストーリーを作り出して行ったわけです。このテクニックはマンガ、アニメにも使われる手法で、大きく言えば日本のサブカルチャーに共通する手法かもしれません。

 私は、この文法に子どもの「ごっこ」遊びに近いモノを感じます。丸めた段ボールを勇者のヨロイと見立てて遊ぶ子どもたちには、自分たち独特の「見立て」を行います。これも遊びの「文法」です。

 VR、ARはなまじ、リアルなため、まだこの文法を積極的に取り入れる発想に至っていない気がします。今回も感じましたが、「安全に」しかも「身体と連動するVR」は今後伸びる分野だと思います。しかし、一足にそこに至れません。ならば、ある種の取り決め(文法)をするのは、ありだと思いますが、いかがなものでしょうか? 私は、そのスマートな回答が、子どもが行う「ごっこ」の中に解があるような気がしてならないのです。

 これらを体験できる「INNOVATION TOKYO」は、六本木ヒルズで10月21日まで。これ以外にもいろいろなイベントが行われます。お子さん連れで、是非行って見てください。新しい発見がありそうです。

  
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