2020年8月6日(木)

J-POWER(電源開発)

2020年4月20日

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デジタル技術によって社会のあり方をよりよく変えていくデジタル・トランスフォーメーション。それはすなわち、持続可能な社会の実現に向けた挑戦でもある。電力会社とデジタル化の接点も、そこにある。
 

デジタル時代の保守点検
安全性と効率アップへ

 地上およそ100m、30階建てビルほどの高所で日々、巡視点検に勤しむ風力発電設備のスタッフたち。その保守要員は風車3基あたり概ね1名が必要といわれ、日本の風力発電が今後、政府が目指す勢いで増大すれば、人材不足の懸念もまた増大する。2030年度には風力発電のメンテナンスに数千人が必要との試算もある(日本風力発電協会)。

 こうしたなか、保守・運営の効率化と高度化を果たすためにデジタル技術を活用する動きが加速する。

 Jパワー(電源開発)は昨年11月、スタートアップ企業のエイチエムコム社と共同で、音声認識技術を使って風力発電所の点検業務を効率化する実証事業を開始した。

 強風の中、高所に立つ作業員にとって両手の自由度を高めることは、安全上も効率上も極めて重要だ。そこで両社は、ハンズフリー点検の実現に向け、音声入力ができるスマホアプリの操作性等を検証。異常箇所を撮影してコメント音声とともに送信するなど、報告書作成までの一連の業務を点検中に完了させることを目指す。

 Jパワーでは同時に、現場作業員の安全見守りシステムの導入も検討。スマートウォッチで個々の作業員の脈拍や動作、位置情報、温湿度などを常に把握し、現場の安全確保と遠隔支援を行う試みに着手した。また、山間部にある送電線や渓流取水設備の点検・監視にドローンや省電力無線を活用する仕組みも実証中だ。

 こうして種々の課題解決にデジタル技術を用いることで、発電設備の安全性と信頼性が高まり、ひいてはそれが事業の競争力強化にもつながっていく。そのためJパワーは昨年4月、デジタルイノベーション部(以下、DI部)を発足させた。部長代理の小泉真吾氏は、「60年以上にわたる発電事業で蓄積した膨大なデータと知見の分析を基に、電力取引システムの革新や、領域を超えた新たな事業や価値の創出も可能にする体制づくりを進めています」と語る。

 

ネットワークで推進する
エネルギーの地産地消

発電機などを格納した「ナセル」の上で行う風車の巡視点検作業。安全確保、作業支援のためにデジタル技術の活用が望まれる。

 エネルギーの地産地消といわれるように、各所に散らばる再生可能エネルギーや蓄電池などの分散型電源の活用に期待がかかる。それを取り入れたエネルギー供給の新しい形を創ることも、Jパワーの使命である。

 横浜市「バーチャルパワープラント(VPP)構築事業」への参画はその一端だ。VPPとは、分散する電源をネットワークで結び、あたかも1つの発電所のように機能させる仮想発電所を構築すること。自然条件に左右されやすい再生可能エネルギーの需給調整や、電力不足時の供給源などに有効とされる。

 横浜市の事業では、Jパワーと鈴与商事の出資会社が契約主体となり、区庁舎と小学校に蓄電池を設置。平常時はVPPとして電力の需給調整に運用し、浸水災害等の非常時には防災無線などのための代替電源に転用する計画だ。行政庁舎のVPP導入は国内初。「実証から実装」を標榜する「横浜スマートシティプロジェクト」の一環であり、国庫補助金等に頼らないVPPの希少事例となる。

 「自治体のBCP(事業継続計画)意識の高まりに伴い、VPPへの関心も確実に増しています」と、DI部とエネルギー計画部を兼任する松田亮平氏は話す。横浜市が音頭を取る自治体VPP推進連絡会議の今年の会合は、昨年の倍となる約30自治体を集めたという。

 「この事業で得られる知見とノウハウを自治体や民間企業に幅広く活かしていきたいですね」(松田氏)

 DI部が関わる数十のプロジェクトの約3割はすでに実装段階にある。その意義はエネルギーの安定供給に留まらない。安全確保も作業効率の向上も、新しいビジネスの創出も事業継続も、すべては技術革新によって社会の仕組みをよりよい方向へと変えていく、デジタル・トランスフォーメーションへの布石。持続可能な社会実現への一歩に他ならない。

 

エネルギー安定供給に取り組む
J-POWERのさらなる挑戦

J-POWER(電源開発株式会社)は1952年、戦後の電力不足解消を目的に発足した。現在では国内約100カ所に水力・火力・風力・地熱等の各種発電所を保有する。J-POWERグループは中期経営計画「さらなる成長に向けた挑戦」の取り組み状況(2019年4月)において、デジタル技術の活用を表明。発電所の最適運転や保守管理の高度化、人財の有効活用、電源分散化の動きに応じた新たな取り組みなどを進める方針を示した。

VPP(Virtual Power Plant)のイメージ

「電力設備自動撮影」で特許出願

 

J-POWERは2018年9月、岡山理科大学と共同開発したドローンによる電力設備自動撮影技術で特許を出願。山間部など高所に設置された送電線や鉄塔の保守点検における大幅な負担軽減を実現するとともに、超高層ビルや橋梁下などでの幅広い活用に道を開いた。