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2020年10月30日

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南仏ニースで29日に3人が刃物で殺害された事件で、容疑者の男がチュニジア出身で、イタリアを経由した今月初めに入国したばかりだったと、当局が明らかにした。

容疑者(21)は9月末、移民船に乗ってイタリア・ランペドゥーサ島に到着。その後発行されたイタリア赤十字社の書類を所持していた。フランスには10月初めに入国したという。

対テロ検察官のジャン=フランソワ・リカール氏は、容疑者がイスラム教の聖典コーランと電話2台、刃渡り30センチの刃物1本を所持していたと明かした。

「襲撃犯が残したかばんも発見した。かばんの隣には犯行に使用されなかった刃物が2本置いてあった」と、リカール氏は付け加えた。

警察筋は容疑者の名前を、ブラヒム・アウイサウイと明らかにした。事件現場で警官に撃たれて重体となっている。

エマニュエル・マクロン仏大統領は29日、「イスラム過激派によるテロ攻撃」だとした。

ニース入りしたマクロン氏は、「我々の自由という価値観や、この国での信仰の自由に対して再び攻撃を受けたが、恐怖には屈しない」、「改めてはっきり明確にしておく。我々は屈するつもりはない」と述べた。

教会や学校などの公共の場を守るため、配置する兵士の数を3000人から7000人に増員するという。同国の警戒レベルは3段階の最高に引き上げられた。


容疑者は警官に撃たれる前、「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と何度も叫んでいたとされる。

警察によると、犠牲者の1人は「首をほとんど切断され」ていたという。

フランスの対テロ検察は、殺人事件として捜査に着手している。

フランスでは16日にパリ近郊で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を教材にしたサミュエル・パティ教師が、イスラム教徒の男に首を切断される事件があったばかり。この事件を機にフランス政府はイスラム過激主義の取り締まりを強化。これにトルコをはじめイスラム圏の諸国が反発している

29日にはフランスとサウジアラビアでほかに、2件の襲撃事件が発生した。

南仏アヴィニョン近郊のモンファヴェでは、警官を拳銃で脅した男が射殺された。

サウジアラビア・ジッダにある仏領事館の外では警備員が襲われた。容疑者は逮捕され、警備員は病院へ搬送された。

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ニースに何が

ニースのノートルダム寺院内で29日、この日最初のミサが始まる前に女性2人と男性1人が襲われた。

「首をほとんど切断され」た女性(60)と喉を切られた男性(55)が寺院内で死亡した。男性は寺院の管理人で、報道によると妻と2人の子どもがいる。

もう1人の女性(44)は複数回刺されたあとに近くのカフェに逃げ込んだが、その後死亡した。

目撃者がニース市が設置した特殊な保護システムを使って通報していたことが、その後明らかになった。

寺院の近くに住み事件を目撃したクロエ氏はBBCに対し、「通りで大勢が叫んでいるのが聞こえた。大勢の警官が駆けつけているのが窓から見えた。銃声が、たくさんの銃声が聞こえた」と述べた。

対テロ検察によると、午前8時57分に警官4人が現場に到着した。犯人はその後間もなく警官に撃たれた。

南仏ニースでは2016年7月14日、31歳のチュニジア人男性が大型トラックで遊歩道の群衆に突入し、86人が死亡する事件が起きている。


フランスで発生した襲撃事件

2020年10月:イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を教材にしたサミュエル・パティ教師が、イスラム教徒の男に首を切断された

2020年9月:2015年に襲撃事件が起きた風刺週刊紙「シャルリ・エブド」の元本社近くで、男女2人が刃物で襲われ重傷を負った

2019年10月:パリ警視庁のIT職員ミカエル・アルポン容疑者が警視庁内で警官ら4人を刺殺。容疑者が過激思想に染まっていたことが明らかになった

2016年7月:北西部ルーアン近郊で男2人が教会に押し入り、教会内にいた司祭や信者らを人質に立てこもり、ジャック・アメル神父の喉を切って殺害した

2016年7月:ニースで銃を所持した男が大型トラックで遊歩道の群衆に突入し、86人が死亡した。「イスラム国」(IS)が関与を表明した

2015年11月:パリ市内のバタクラン・コンサート・ホールやスタジアム、レストラン、バーで連続襲撃事件が発生し、約130人が死亡、数百人が負傷した

2015年1月:イスラム過激派の銃撃犯2人が風刺週刊紙「シャルリ・エブド」本社に押し入り、12人を射殺した

(英語記事 French church attacker came from Tunisia days ago

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54729331

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