2024年5月22日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月30日

 2024年4月11日付の英Economist誌が、ウクライナが戦争に負ければ何が起きるのかを論じるコラムを掲載し、恐怖が欧州に浸透することとなろうと述べている。

(mel-nik/Hase-Hoch-2/gettyimages)

 昨年のウクライナの反転攻勢の希望は失せ、このところ支配するのは恐怖である。

 もしウクライナが敗北すれば、それは西側にとって屈辱的となろう。米国と欧州は、過去2年、道義的・軍事的・財政的支援をウクライナにしてきた。この支援の提供を時に躊躇したことが事態を悪化させた。

 ウクライナの領土がロシア領に塗り替えられれば、力は正義なりという理念が固まるであろう。元北大西洋条約機構(NATO)事務局長ジョージ・ロバートソンは「もし、ウクライナが敗れれば、われわれの敵が世界秩序を決めるであろう」と警告した。特に台湾の人々にとっては不幸なことになろう。

 ウクライナの隣国による支援の速度は米国よりも遅かった。しかし、ゆっくりだが着実に、彼等は可能な限り要望に応えた。

 武器を届け、ウクライナの財政を支え、数百万の避難民を受け入れ、何度も対ロシア制裁を課し、ロシアからのガス・パイプラインを断ち、欧州連合(EU)は当初可能と思われたことの限界を超えた支援をした。目下、EUにはタカ派の東部周辺とその他の間に分断が存する。もし、ウクライナが負ければ、分断は相互の非難と憤りに発展するであろう。


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