2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月30日

 ロシアは軍事能力を高めている。ロシアの軍事予算の国内総生産(GDP)比は本年6%に達すると見込まれている。ロシアの軍事産業は拡大しつつある。

 NATOはこれに対抗し、抑止と防衛の能力を強化せねばならない。国防費のGDP比目標を現行の2%から2.5%に引き上げることも意義があろう。より重要なことは、ウクライナ戦争においてドローン(情報収集・偵察および自爆型の攻撃)、低軌道衛星(通信・目標設定・情報収集・監視)、AI、水中ドローン、電子戦等により具現化したハイテクによる戦闘の革命的な進化をNATOの作戦計画に組み込むことであろう。

ウクライナができること

 ウクライナ自体については、敗北が限定的で、ロシアに占領された部分を除く残余の領土で国として機能するとしても、果たして活力ある国として生き残れるのかの疑問がある。多くの国民が国を離れ、国が空洞化するかも知れない。

 この記事には、「ウクライナへのEU拡大の約束は包括的な勝利を前提としていた」とある。そうだったのか承知しないが、少なくとも、打ちひしがれたウクライナをEUが抱きかかえることは出来ないかも知れない。

 NATO加盟はあり得ないこととなろう。この記事が結論的に述べているように、「もし、ウクライナが負ければどうなる?」という問題に対する唯一の答えは「ウクライナは負けてはならない」であろう。

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