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2021年4月20日

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キューバの共産党は19日、党トップのラウル・カストロ第1書記の後任に、ミゲル・ディアスカネル大統領を指名したと発表した。

ディアスカネル大統領は2018年、ラウル氏から大統領職を引き継いでおり、さらに影響力の強い第1書記への就任も取りざたされていた。

今回の発表により、1959年のキューバ革命以降で初めて、故フィデル・カストロ氏とラウル氏兄弟以外の人物が同国を治めることになる。

ディアスカネル氏は、カストロ兄弟とその経済政策に忠実な人物として知られている。

4日間行われる共産党大会の1日目にあたる16日、ラウル氏は第1書記を辞任すると発表。「情熱と反帝国主義精神にあふれた」若い世代に譲ると話していた。

ディアスカネル氏は現在60歳だが、ラウル氏より30歳近く若い。

89歳のラウル氏は2011年に兄のフィデル氏から同職を引き継いでいた。

カストロ兄弟は1959年、フルヘンシオ・バティスタ軍総司令官の独裁政権を革命で覆して以降、キューバの実権を握り続けてきた。

フィデル氏は1959年から国家元首としてキューバを率いた。2006年に体調を崩し、2年後に弟のラウル氏に権力を移譲した。

フィデル氏が2016年に亡くなると、ラウル氏は引き続きキューバ共産党の手綱を握り、この島国を統治してきた。

ディアスカナル氏とは

ディアスカナル氏はキューバ革命後の生まれだが、革命の熱狂的な支持者であり、カストロ兄弟の強力な支援者の1人とみられてきた。

20代前半から、サンタ・クララの「若き共産主義者リーグ」で政治活動を開始した。サンタ・クララには、キューバ革命でカストロ兄弟と共に戦ったチェ・ゲバラ氏の霊廟(れいびょう)がある。

政治家として頭角を現したディアスカナル氏は、2009年に高等教育相に就任。2013年には副大統領となった。

そして2018年、国家評議会で99.83%の得票率で大統領に任命された。

ディアスカナル氏の政策は

ディアスカナル政権の下、キューバは北朝鮮や中国、ロシア、ボリヴィア、ヴェネズエラなどと良好な関係を保っている。

また、キューバの主権とカストロ兄弟の理想を守ると誓う一方で、過去数十年で最も深刻な経済危機に直面している。

キューバ経済は昨年11%縮小。新型コロナウイルスのパンデミックに加え、ドナルド・トランプ前米大統領が科した経済制裁の影響が大きかった。

ディアスカナル氏はジョー・バイデン大統領の就任を歓迎しており、「互いの違いを尊重した、建設的な相互関係」を結ぶことが期待できると話している。

ラウル氏も16日、共産党での最後の演説でこの期待感について言及。「アメリカと互いを尊重した対話を行い、新しい関係を築く意思がある」と述べた。

しかしホワイトハウスは、バイデン政権の外交政策の優先事項にキューバは入っていないと述べており、両国関係に変化が起きる可能性は見えていない。

BBCのウィル・グラント・キューバ特派員は、ディアスカナル大統領はカストロ式の社会主義体制に忠実で、前任者の期待通り、民間セクターの拡大を最小限に抑えていると説明。

ラウル氏からディアスカナル氏への政権移譲は安全な選択肢だと言えるが、経済見通しの悪さを考えれば、近いうちに中央集権化された経済をさらに自由化する必要に迫られるだろうと解説した。

(英語記事 Communist Cuba names first non-Castro leader

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56811218

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