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2021年9月24日

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欧州委員会は23日、欧州連合(EU)域内で販売されるスマートフォンなど小型電子機器の充電器の端子について、「USBタイプC」に統一する方針を発表した。消費者が新たな機器を購入する際に、既存の充電器の再利用を促すことで、廃棄物減らす狙いがある。

今回発表された方針では、EU域内で販売される全てのスマートフォンの充電器端子をUSBタイプCにすることが求められる。

米アップルは、こうした動きは技術革新に悪影響を及ぼすと警告している。

独自規格の「Lightning」端子をiPhoneに採用している同社は、「1種類のコネクターだけを義務付ける厳格な規制は、技術革新を促進するどころか阻害することになる。そして、欧州や世界中の消費者に悪影響を及ぼすことになると、我々は懸念している」とBBCに述べた。

同社は2030年までにすべてのアップル製品とその使用方法について、二酸化炭素(CO2)排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現すると付け加えた。

携帯端末用基本ソフト「アンドロイド」を搭載した携帯電話のほとんどには、USBマイクロBが搭載されている。より新しい規格のUSB-Cに移行しているものもある。

iPadやMacBookの新モデルや、韓国・サムスンや中国・華為技術(ファーウェイ)などの人気アンドロイド・メーカーの高性能スマホ機種にはUSB-Cが採用されている。

今回の端子変更は、機器本体の充電ポートに適用されるが、充電ケーブルの先端はUSB-CまたはUSB-Aである可能性がある。

2018年にEUで携帯電話と一緒に販売された充電器の約半数にはUSBマイクロBが、29%にはUSB-Cが、21%にはLightningが搭載されていたことが、2019年に欧州委員会が実施した影響評価調査で明らかになった。

端子変更の対象は以下の通り。

  • スマートフォン
  • タブレット
  • カメラ
  • ヘッドフォン
  • ポータブルスピーカー
  • 携帯型テレビゲーム機

イヤホンやスマートウォッチ、フィットネストラッカーなどの製品については、サイズや使用条件などの技術的な理由により、変更は検討されなかった。

高速充電のスピードを統一することも盛り込まれている。

廃棄物を減らす

EUの政治家たちは10年以上にわたり、共通規格の制定を求めてキャンペーンを展開してきた。欧州委員会の調査は、捨てられたり、未使用になったりしている充電ケーブルにより、年間で推定1万1000トン以上の廃棄物が発生しているとしている。

EUでは昨年1年間に、約4億2000万台の携帯電話やその他の携帯電子機器が販売された。

平均的な人は約3つの携帯電話の充電器を所有しており、定期的に使用しているのはそのうち2つという。

2009年には30種類以上の充電器が存在したが、現在はほとんどのモデルがUSB-C、Lightning、USBマイクロBの3種類となっている。

「共通の充電規格が1つになれば、消費者の視点から見れば常識の勝利といえる」と、コンサルタント会社CCSインサイトのアナリスト、ベン・ウッド氏は述べた。

「アップルはiPhoneのアクティブユーザーが10億人いることを踏まえて、Lightningコネクターの維持を強く主張しているが、MacやiPadなど同社の一部製品は今やUSB-Cをサポートしている。

「Appleがより多くの機器にUSB-Cを追加し続け、最終的にはこれが問題ではなくなることを願っている」

端子変更が施行されるには何年もかかるかもしれない。

EU指令として知られる法案は、欧州議会と各国政府が議論し、修正案を提案することができる。欧州委員会がこれらの修正案に合意して初めて、指令が制定される。同委員会は2022年に実現したい考えだ。

加盟国はその後、国内法の制定に通常2年の猶予が与えられ、メーカー側は2年以内に端子を変更することとなる。

「我々は業界が独自の解決策を打ち出すのに十分な時間的猶予を与えたが、共通の充電器に統一するための法的措置を取る時が来た。これは消費者と環境にとって重要な勝利であり、我々のグリーンでデジタルな野望に沿ったものだ」と、欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー副委員長は述べた。

(英語記事 EU to push for universal phone charger

提供元:https://www.bbc.com/japanese/58675327

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