2024年7月27日(土)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年10月3日

 「Wedge」2022年10月号に掲載されている特集「諦めない経営が企業をもっと強くする」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
 1986年、41歳にして日本で初めてターンアラウンド・スペシャリスト(事業再生専門家)を名乗り、不振企業の再生を手掛け始めた三枝氏。それは「事業再生」という言葉が日本で一般化する10年以上も前のことだった。
 高度経済成長期、バブル期、バブル崩壊後から現在──。日本企業の盛衰を、経営者や事業再生専門家の立場で見てきた三枝氏に、今の日本企業や経営者に足りないことは何かを聞いた。

話し手・三枝 匡(ミスミグループ本社 名誉会長) 
聞き手/構成・編集部(野川隆輝)
三枝 匡 Tadashi Saegusa
ミスミグループ本社 名誉会長
1967年一橋大学経済学部卒業。三井石油化学工業を経て、ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号コンサルタントに。米スタンフォード大学でMBA取得後、86年から事業再生専門家として16年間活動。ミスミ最高経営責任者(CEO)などを経て現職。著書に『V字回復の経営』(日本経済新聞出版社)など多数。(WEDGE)

編集部(以下、──)全盛期には世界一の経済大国である米国をも脅かした日本企業が勢いを失い、現在も伸び悩む原因をどう見ているか。

三枝 最大の要因は「経営者人材」の枯渇だろう。経営者人材とは、個人や組織として実現したいことを明確に持ち、リスクがある中でもリーダーシップを発揮して成長を牽引する人材だ。

 同時に、自ら考えようとせず、上司の決定に従うだけの「サラリーマン」が増加した。成長の要因をじっくり考えて分析したり、未来を見据えて次なる大戦略を練ったりすることなく、与えられた仕事さえこなしていれば企業が成長したために、バブル期に至る日本の繁栄期を謳歌できてしまった。

 その後バブルが弾けると、一転して企業が縮小フェーズに入った。投資や経費を抑えたり、事業から撤退したりする企業が相次ぎ、「攻めないことが当然」の時代が長く続き、サラリーマンに「萎縮マインド」が刷り込まれた。そうした時代を過ごした世代が今、多くの企業の経営層に上がってきている。

 横並びの評価という平等主義が、成長の阻害要因になっている側面がある。組織の中には、現状に強い危機感を抱き本気でどうにかしたいと考えている、いわゆる「血の騒ぐ」人間が必ずいる。そしてトップが見て見ぬフリさえしなければ、その存在には気付けるはずだ。重要なのは、……

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