9月22日、政府・日本銀行は、1998年6月以来24年ぶりに円安に対応した円買いドル売りの為替市場介入を断行した。この介入により、円ドル相場は午後4時台1ドル=145.90円から約5時間後には140.40円と3.8%の円高となるなど、一定の介入効果はあったように見えた。
しかし、9月26日現在、円ドルレートは144円台後半まで円安が進むなど、再度1ドル=150円を目指した動きになりつつある。
主要先進国がインフレ退治のために軒並み金利を引き上げる中、政府・日銀が金利の引き上げを頑なに拒否し、米国による為替操作国認定のリスクを冒してまで円安局面での介入という戦後日本では稀有な対処に及んだ。理由は、故安倍晋三元首相の悲願であったデフレからの脱却、インフレ率2%達成というよりはもっと深いものがあるのではないか。
つまり、金利を引き上げたくても引き上げられないのだ。
日本国債の最大の保有者は日銀
なぜ、政府・日銀は金利を引き上げられないのだろうか。
金利引き上げが日本経済に与える影響は広範囲に及ぶが、最大の懸念は国債価格暴落、つまり、国債バブルの破裂にある。