2024年10月26日(土)

BBC News

2024年10月22日

2017年公開の映画「ブレードランナー 2049」の製作会社は21日、許可なく同作品のイメージを使用したとして、米電気自動車(EV)大手テスラと所有者イーロン・マスク氏、米映画配給大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを提訴した。

アルコン・エンターテインメントによると、同社は以前ワーナーから、自動運転機能を使ったテスラのロボットタクシー「サイバーキャブ」の発表イベントで、「ブレードランナー 2049」のイメージを使いたいと打診されたが、それを拒否した。

それにもかかわらず、テスラとイベント主催者は、人工知能(AI)を使って同作品を基にしたプロモーション・イメージを作り、10月10日のイベントで使用したと、アルコンは主張している。

BBCニュースはテスラとワーナーにコメントを求めているが、両社からの回答は今のところない。

アルコンは訴状で、「この不正流用による金銭的影響の規模は相当なものだった」と主張。さらに、「テスラとの提携を検討している慎重なブランドは、なにかとマスコミで大きく取り上げられ、政治色が強く、気まぐれで恣意(しい)的で、時にはヘイト(憎悪)スピーチに走ることもあるマスク氏の行動を、考慮しなくてはならない」のだと述べている。

アルコンはまた、アルコンとテスラに結びつきがあるかのようにイベント主催者が示唆したことで、「ブレードランナー2049」の製作会社がテスラ車を推薦してるかのような虚偽の印象を与えたと非難した。

ロボットタクシーの発表イベントは、「ブレードランナー 2049」の配給を行ったワーナーの撮影スタジオの一つで行われた。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品「ブレードランナー 2049」は、リドリー・スコット監督による1982年公開の名作「ブレードランナー」の待望の続編。ライアン・ゴズリング氏、ハリソン・フォード氏、アナ・デ・アルマス氏、ジャレッド・レト氏などが出演し、2018年のアカデミー賞で2部門を受賞した。

サイバーパンク映画の傑作「ブレードランナー」について、マスク氏はかねて繰り返し言及している。テスラのサイバートラックを着想するもとになったと、ほのめかしたこともある。

アルコンは現在、スピンオフのテレビシリーズ「ブレードランナー 2099」を制作中。

これとは別に、2004年のSF映画「アイ, ロボット」の監督が、マスク氏が人型機械と自動運転車のデザインを盗用したと非難している。

テスラのロボットタクシーのイベント名「We, Robot」は作家アイザック・アシモフの短編集のタイトル「I, Robot(われはロボット)」をもじったものだが、これがアレックス・プロヤス監督の目を引いた。

プロヤス氏はX(旧ツイッター)に、「やあ、イーロン、私のデザインを返してくれないか?」と投稿。この投稿は800万回以上、閲覧されている。

しかし、監督のこの言い分へのオンラインの反応は冷ややかなものが多く、プロヤス監督の作品自体が先行作品に多くを頼った派生的なものだという指摘も出ている。

(英語記事 Blade Runner 2049 maker sues Musk over robotaxi images)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c70z019kr5ro


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