スロヴァキアのロベルト・フィツォ首相が22日、ロシアの首都モスクワを電撃訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した。ロシアのウクライナへの全面侵攻が始まって以来、プーチン大統領と会談した西側諸国の指導者はこれで3人目。
欧州連合(EU)のウクライナ支援に対して批判的なフィツォ氏は、スロヴァキアが依存するロシアのガス供給について話し合ったと述べた。
ロシアのガス大手ガスプロムとの、ウクライナを経由してスロヴァキアにエネルギーを輸送する契約は、今年末に期限を迎える。
フィツォ氏はフェイスブックに、「EUの高官には20日、私の訪問とその目的について通知した」と投稿した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先に、EU首脳らに対し、ウクライナはロシアのガスが自国の領土を通過することに反対し続けると述べていた。フィツォ氏は、これを受けて、モスクワでプーチン氏と会談したと説明した。
今年5月に銃撃を生き延びた首相は、プーチン大統領と「長い会話」をし、ウクライナの軍事状況について「意見交換」をしたとも述べた。
その上で、「戦争の早期平和的終結の可能性」と、ロシアとスロヴァキアの相互関係について話し合ったと、フィツォ氏は説明した。
スロヴァキアはハンガリーと共にロシアのガスに依存しており、供給が中断される可能性について懸念を示している。
フィツォ氏は2023年10月に首相に再々任された際、ウクライナへの軍事援助を打ち切った。
一方で、ウクライナに対しては「良き友好的な隣人」でありたいと主張している。
フィツォ氏とプーチン大統領が会談した22日には、イタリア、スウェーデン、ギリシャ、フィンランドの首脳が安全保障サミットを開催した。
その後、フィンランドのペッテリ・オルポ首相は、ロシアがEUにとって「恒久的かつ危険な脅威」であると述べた。
また、防衛費の増加とウクライナへの支援の必要性を強調した。