2026年9月30日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月30日

 ただし、この戦略がそのまま中国の覇権につながるかどうかは、なお予断を許さない。8月31日から9月1日にかけて行われた主要20カ国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議でも、中国による希少資源の輸出制限に対する批判が相次いだ。また、政府補助金などを背景とする過剰生産と安価な輸出の拡大が、世界の産業基盤や貿易の均衡を歪めているとの指摘も相次いだ。

 中国を除く19カ国が、こうした「非市場的政策」に対抗する必要性で一致し、中国の輸出依存が世界経済にもたらす不均衡を是正すべきだとの認識を示した点は注目に値する。

 また、グローバル・サウスの諸国が中国への全面的な帰属を望んでいるわけではない。むしろ今後も、米中双方との関係を利用する「ヘッジング政策」を維持する可能性が高い。いずれか一方に過度にコミットすることを避けながら、双方から経済的利益と成長の機会を引き出そうとすることは、グローバル・サウス諸国にとって極めて合理的な成長戦略だからである。

左右するネットワークの持続可能性

 したがって、今後の焦点は、米中のどちらが単純に「勝利」を収めるかということではない。より重要なのは、どちらがより多くの国々に「自国と結びつくことの利益」を認識させ、柔軟で持続可能なネットワークを構築できるかである。

 ただ、一つ明確なことがある。米国の同盟国に対する政策の予測可能性が低下すればするほど、中国がその構造変化を利用する余地は大きくなる。今後の米中競争を左右するのは、軍事力や経済力そのものだけではなく、各国がどちらのネットワークに参加することに、より大きな利益と安全を見いだすかという点にある。

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