25年9月にミュンヘンで開かれた自動車見本市IAAモビリティでは、中国のOEMと部品メーカー116社が出展した。出展企業の数では、中国が最も多かった。
日本からは部品メーカーが数社出展したが、日本のOEMの姿はなかった。BYDは目立つ場所に大きなスタンドを設置して多数の車を展示し、欧州市場への関心の強さを見せつけた。
リストラに揺れるドイツ自動車業界
EUが強硬措置を検討する背景には、欧州の自動車産業の苦境がある。EU域内で最大の自動車メーカーVWグループの25年の営業利益は、前年比で53.5%減って89億ユーロ(1兆6020億円)となった。営業利益は前年の5.9%から2.8%に激減した。
このためVWグループは9月3日、「30年までの従業員の削減数を、これまで決定していた5万人に加えて、さらに5万人減らす」と発表した。つまりVWグループは世界に約66万人いる従業員を合計10万人削減する。その半分はドイツの社員だ。
これまでVWグループが国内工場を閉鎖したことは一度もない、だが同社の経営陣は、ハノーバー、エムデン、ツヴィッカウ(以上VW自動車部門)、ネッカースウルム(アウディ)の4工場については、「31年以降、採算を取れる用途がない」として、閉鎖することを視野に入れている。
やはり採算が悪化しているオズナブリュック工場については、イスラエルの投資会社に売却して、将来イスラエルの兵器メーカー・ラファエルがドイツなど欧州諸国向けの対空ミサイルシステムを生産することが決まった。
業績が悪化しているのはVWグループだけではない。BMWの25年の営業利益は前年比で11.5%、メルセデスベンツの25年の営業利益も前年比で57.2%減少した。BMWは管理部門を中心とした約8000人の人員削減、メルセデスベンツも給料据え置きで労働時間を延長することなどを検討している。
さらに自動車部品大手ボッシュは従業員2万2000人、ZFも1万4000人を削減する方針を明らかにしている。
