VR、ARに関してはこれまで「次のエンターテイメントシステムとして必ず中心になる」と言われてきたが、いわゆるキラーコンテンツに欠ける状態だった。ARではポケモン・ゴーが出た時に「これこそが完璧な利用例」と言われ、現在では追随して同様のゲームシステムを提供する会社も増えた。しかし飽くまでゲームの世界に留まっている。
VRではヘッドセットを装着してライドを楽しむジェットコースターが世界で何カ所かあり、利用の一例として注目されてはいるが、日常生活に溶けこむタイプの利用法としてはやはりゲームが最も一般的だった。
車内エンタメの可能性を探る
今回のドリームドライブはVRの可能性を広げ、多くの人が気軽に体験できるきっかけとなるかもしれない。まだプロタイプの段階で発売予定、価格設定などは発表されていない。しかし「車内の空間をより生産的かつ楽しいものに」というコンセプトは今後別の自動車メーカーにも広がる可能性が大きい。
VR特有の「ヘッドセット酔」と車の揺れが相乗効果とならないか、など課題となる点もあるが、車とVRと言えばこれまで「バーチャルディーラー」としてヘッドセットで車のスペックを見せる、あるいはレーシングカー体験、といった使い方が中心だった。車内エンタメとしての可能性を探る今回のコラボはVR業界にとっても大きな刺激となるだろう。
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