2024年7月15日(月)

田部康喜のTV読本

2017年5月24日

 ショッピングセンターのなかで、ふたりと里見を逃がそうとする5人組の格闘が始まる。二組とも伸縮性の警棒を長く伸ばして、剣さばきのようなアクションと体当たりが連続的に繰り返される。売り場のプランターなども、田丸は縦横に使って攻撃にでる。5人組を倒したふたりだったが、里見を見失う。

 里見が加わっていたテロを実行した宗教団体と、古川健康食品の経営者が支援者である関係がわかって、ドラマは一気にラストシーンに向かっていく。

テロリストが標的とするもの

 この会社が所有しているマンションの一室に里見が向かう。郵便受けのなかに、のぞき穴の位置にスマートフォンのカメラを合わせたうえで入れて、里見はマンションに近づく人を見張る監視カメラにする。稲見と田丸はマンションにたどりつくが、里見にまんまと逃げられる。

 テロリストが標的とするのは、誰もが知っているシンボルと個人的な恨みの対象である、と自衛官時代に習ったことを稲見は思い出す。地下鉄の無差別テロに関心がいってしまった代わりに、里見の個人的な恨みを探ることを忘れていたことに気づく。

 里見の経歴から、田丸はもうひとつの可能性を導き出す。「自分が潜入捜査をした時と同じような経歴になっている」と。

 大山のプロファイリングによって、教団に潜入した捜査官の鍋島豊こそ里見であることがわかる。

 標的は、テロ当時の課長で鍋島の連絡役と思われる、警視総監に就任して間がない乾陽一(嶋田久作)だった。

 乾が住むタワーマンションの入り口近くに鍋島は車を止めて、襲撃のチャンスをうかがう。鍋島の銃撃は、乾のボディーガード役の防弾チョッキを着た捜査官に阻まれ、かけつけた田丸(西島)と稲見(小栗)に取り押さえられる。

 襲撃の理由を問う特捜班に対して、鍋島はいう。鍋島は、地下鉄テロの5日前にテロがあることを連絡した。しかし、その後3日間、秘密を守るために閉じ込められた。捜査の手は伸びず、リンチによる死を恐れて、テロを実行するしかなかったと。

 稲見 「正義を実行する警察官だったら、テロはできなかっただろう。罪のない人が死んだんだぞ」

 鍋島 「テロを口実に予算を増やそうとしたのか、宗教教団を一斉に抑えるためだったのか。あるいは、気に入らない官僚が地下鉄に乗っていたのか、それはわからない」

 稲見 「お前のいうことが正しいことを立証するものがなにもない」

 鍋島 「それがお前らの世界だ。まあ、すぐにわかるさ。すぐに」

 金城が描く権力の闇は、最終回に向けてより深まり解けることはないのだろう。

  
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