うがい薬やコスモ石油火災のように、緊急を要する情報でない場合は、「Googleリアルタイムを使うことで、情報の出所をある程度まで絞ることができる」と林氏は言う。
Googleリアルタイムというのは、特定のキーワードを入れて検索すると、そのキーワードが含まれるツイートを時系列で拾うことができるツールだ。その情報の発信元がどのような人物で、その後どのように拡散されていったかを遡って検証することができる。
現場にいない人が情報を混乱させた東横線パニック
14日の午前9時30分ごろ、「東横線が混雑によるパニックのため全線運休」というツイートが大量に出回った。Googleリアルタイムで遡っていくと、はじめの頃には「一時運休」とツイートされていたのが、途中から「全線運休」というよりインパクトの強い表現に変化していった様子が窺える。おそらく現場に居合わせていない人がRTに参加したことで伝言ゲームが行われ、知らないうちにデマに発展してしまったのだろう。20分程して、実際に東横線に乗ってる人から「普通に動いている」ことが指摘され収束に向かったが、ここで問われるのは、「ソースの確認できない情報は、できるだけRTしない」というユーザーのスタンスだ。
しかし、間違った情報をRTしてしまった人をうかつに責めるべきではない。なぜなら、RTした人は誰かの役に立ちたいという善意に基づいていることが多いからだ。
災害時に求められるルールとは?
「正確な情報を拡散したい時には、必ず公式RTを使うべきです。公式RTであれば、最初の発信者が特定されるし、『一時運休』が『全線運休』になるような情報の改ざんは起こりません。今回の震災で浮き彫りになったわけですから、今後に備えるためにも、そういった基本的なルールをわかりやすく丁寧に伝えていく必要があると思っています」(林氏)
交通機関の運行情報であれば、それが間違っていたとしても、たいした被害にはつながらないだろう。しかし、災害時の人命に関わるデマは、助けられたはずの人命を奪う結果にもつながりかねないことを、私たちは肝に銘じなければならない。
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