2024年12月3日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2024年12月3日

 ユニクロを運営する衣料品大手、ファーストリテイリングの柳井正社長兼会長は、11月28日の英BBCの取材に応じ、中国の新疆ウイグル自治区の新疆綿について、「使っていない」と答えた。これを受け、中国のSNS上では「もうユニクロには行かない」など不買運動ともいえる反発の声が上がっているが、実際はどうなのか。SNSを見ると、日本ではあまり報道されていない「意外な意見」も散見されている。

ユニクロ・柳井氏の発言に対する中国人の本音とは?(PaulMcKinnon/gettyimages)

飛び交う辛辣なコメント

 英BBCは、柳井氏に対して「新疆綿を使っているか」と問い、柳井氏は「それは使っていませんし、どこの綿っていうことを言ったとしても……これ以上言うと政治的になるのでやめましょう」と答えた。新疆綿は、新疆ウイグル自治区の少数民族の強制労働疑惑などを理由に、アメリカ政府が輸入を禁止しているが、柳井氏はこれまで使用に関して明言を避けてきた。

 今回、この報道を受け、中国のウェイボーなどのSNSでは、早速ユニクロをボイコットする声が上がっている。また、この件に関して、中国国内でさまざまな議論が沸き上がっており、12月2日現在、ウェイボー上では「熱捜」(多くの人がさかんに検索している状況)のマークがついており、ユニクロ関連の検索センテンス、ハッシュタグには「人民網が報じるユニクロ事件」「ユニクロの業績は下降している」「中国はユニクロ最大の生産基地」「若者はユニクロを見捨て始めた」などが多数ある。

 筆者もウェイボーを見てみたが、同様に、ユニクロが新疆綿を使用していないことを批判する声は多数あった。たとえば、以下のような辛辣なコメントだ。

 「新疆綿を使わないなら、もうユニクロには行かない」「これからは買わない。中国(国内)ブランドの衣料品を買う」「(2020年に新疆ウイグル自治区に工場を持つ中国企業との取引を停止したことから不買運動が起こり、客離れが進んだスウェーデンの衣料品大手である)H&Mのあの一件を覚えているか」「若者はユニクロを見捨て始めた」「ユニクロは中国市場から出ていけ」


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