2024年7月15日(月)

日本の新常識

2011年5月30日

 そこで、ビー・スタイルから、短期間の就労希望の主婦の方を派遣したところ、「正直、主婦の方のスキルがここまで高いとは思っていなかった」と、仕事のクオリティの高さに満足していただけました。さらに、若い社員に「仕事の基本」を教えたり、働く上での悩みなどの相談に乗ってあげたりと、業務以外でも積極的に会社に貢献していくという姿勢、モチベーションの高さにも驚かれたそうです。このように、コスト削減をしながらも、クオリティの高い人材が、「必要なとき」だけ派遣してもらえるというのは、中小企業はもちろん、より細かい業務の振り分けが可能な大企業にとっても、効率的に仕事を進めていく上で非常に有効となります。

――主婦を対象とした人材サービスは事業としての難易度が高く、そのような仕組みは、「人材業界の掟破り」とも評されるほどですが、主婦活用のメリットを企業にどのようにして理解してもらってきたのでしょうか。また、なぜ今までこのような派遣の仕組みが存在しなかったのでしょうか。

三原氏:まず1点目は、やはり派遣先の企業に「クオリティ」と「価格」をきちんと示したことだと思います。「主婦」というと、先ほどのドラマ漬けの話や、雰囲気も「サザエさん」がイメージとして先行しがちですが、実は非常に高いスキルや経験をもっている方が多いですし、実際サザエさんよりずっと若い(笑)。そのクオリティの高さと、通常のフルタイム派遣よりも3割程度コストが安く押さえられるという価格のメリットは、企業にとって魅力的です。

 2点目は、「ポジション使用」という新しい考え方を提示したことではないでしょうか。例えば、秘書業務などは関係者が多く、毎日やりとりが多発するので一人で担った方が良いポジションの代表的な例ですね。反対に契約書作成など、その日のうちに完結を求められる仕事はワークシェアリングに適しています。このように、一人が担当するべき仕事か、ワークシェアリングに適している仕事かどうかを判断し、登録者の主婦の中から、経験・スキルなどを考慮して適材適所の派遣を心がけています。毎年、派遣先の企業へ満足度調査をしていますが、2002年の起業以来95%を下回ったことはありません。業績も平均120%成長を遂げています。

 特にワークシェアリング型は、派遣会社側の手間によるコストから敬遠されてきました。フルタイムで一人派遣するところを、複数人数派遣するわけですから、その分雇用を生み出せても、人数分の管理と仕事の振り分けなどが発生しますから、当然手間も増えます。過去には何社かそのようなタイプの派遣を扱っていた会社もありましたが、今ではビー・スタイルだけです。

――主婦、女性の雇用については、イデオロギー的な観点から語られることが多いと思われますが、「日本は女性が働くための制度が充実していない」という一辺倒な考えにも異論を唱えていらっしゃいます。

三原氏:もちろん、日本の中には、育児休暇や時短就労に対してまだまだ理解の足りない企業があることは事実ですが、例えば女性の就労率が60%以上と先進国の中でも高い米国は、時短勤務などが制度として充実しているわけではありません。彼女たちは、「私は会社にこういった貢献ができるから、このような働き方がしたい」ときちんと自己主張するのです。会社がそれに納得すれば、本人の望むスタイルで雇用しますので、個々の働き方は非常に多様になります。

→次ページ 「主婦が働けば日本の内需拡大」の理由


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