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2020年1月1日

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 独フォルクスワーゲン(VW)が、EVのチャージについて画期的なアイデアを発表した。EV普及のネックとなるのが継続走行距離の問題だが、現在急速にチャージステーション網の建設が進んでいるものの、肝心な時にチャージスペースの空きがない、チャージステーションから離れた場所で電池切れが起こる、などの問題がある。

 VWが2019年12月に発表したロボットEVチャージのプロトタイプは、カメラ、レーザーセンサー、ウルトラソニックセンサーを備えた自動走行式のロボットがチャージユニットを牽引。スマホアプリもしくはV2Xの車内コミュニケーションにより要請された車にチャージユニットを運び、電源をコネクトする。チャージが終了すればロボットが再びチャージユニットを回収するため、全く人の手を介さずにEVの充電を自動で行うことができる。

 チャージユニットには25kWhの充電能力があり、ロボットは複数のユニットを牽引できるため、最大でEV1台あたり50kWhの充電が可能だという。ただし呼べばどこにでも来てくれる、というものではなく、たとえばショッピングモールや企業の駐車場にロボットを待機させ、そこに来る人へのチャージを行う、という使い方が想定されている。

 

 VWの開発担当者、マーク・ミューラー氏は「多くの駐車場でこのチャージロボットが利用されるようになれば、EV普及にとっては画期的なものになるだろう」と語る。ただし現時点ではまだ実際の製品は存在せず、VWの発表も写真ではなくグラフィックによるものだ。ミューラー氏は「条件が整えば製品化は非常に迅速に行われる」としている。

 充電ロボットについてはテスラも早い段階で構想を発表しているが、まだ実現していない。テスラのものはロボットアームのようなものが伸びて充電を行う、というシステムで、家庭用の充電パネルあるいは充電ステーションから人間の手を使わずに充電を行う、というもので充電パックが移動する、というVWのものとはコンセプトが異なる。

 しかし今後EV普及が進めば、このようなロボット式充電は必要不可欠なものになる、とも考えられている。画期的なバッテリーが発明され、数分で充電が行える、あるいは継続走行距離が飛躍的に伸びる、ということが起きない限り、充電問題がEVの最大のネックとなっているためだ。

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