継続走行距離の問題
2019年12月に、独ダイムラーとBMWが共同で行ってきたEVのカーシェアリングサービス、Car2Goの北米でのサービス終了が発表された。両社がこの提携を打ち出したのは19年2月だから、わずか1年での終了となる。当初は全米にこのサービスを広げる、としていたが、コストや需要面から当面は欧州の18都市のみでのサービス継続を決定した。
その理由となるのがやはりEVの継続走行距離の問題だ。欧州ならともかく、米国のように国土が広く人々が通常運転する距離が長い場所では、EVをレンタルして運転することを躊躇する人が多い。EVそのものがまだまだ高額であり、サービスを続けてもコストを回収できない、というのが両社が出した結論だ。サービスを提供、拡大するためにはそのための充電ステーションやピックアップ、ドロップオフ用の用地などのインフラを整備する必要があり、現時点ではこのコストも高いものについている。
もしロボット充電が普及し、更には駐車場内のみのサービスではなくロードサイドでもロボットを呼び出せるような時代がくれば、EV普及は急速に進む可能性がある。バッテリーが軽量化されればドローンによる充電パック配送なども考えられるかも知れない。VW社ではまだ製品化の時期を正式に発表していないが、充電ロボットはEV業界の大きなゲームチェンジャーになる可能性がある。
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