米AEIアジア研究部長のブルメンソールが、フォリン・ポリシー誌のウェブサイトに2月28日付で、「中国とのサイバー戦争にどう勝つか」と題する論説を書き、最近の中国のサイバー攻撃に手を打つ必要を強調しています。
すなわち、インターネットは今や戦場である。中国は単にサイバー空間を軍事化するのみならず、サイバー戦士を配備し、企業、シンクタンク、メディアに攻勢をかけている。
これは米中間の戦略的競争の一局面である。最近の中国政府発のサイバー攻撃を見ると、サイバーに関する競争には緊急性がある。
ワシントンがサイバー戦争、知的財産権の窃取、スパイ行為、嫌がらせを抑止するために、戦略を開発する時である。簡単に言うと、米は重要インフラなどを守る一方で、中国には代償を支払わせるべきであり、攻勢に出る必要がある。
中国はサイバー軍事能力を重視している。過去20年、中国は米軍の合同作戦に印象づけられ、C4ISR(指揮、統制、通信、コンピューター、諜報、監視、哨戒)に注意を向けてきた。
同時に、人民解放軍は米軍の情報ネットワークへの依存に弱点も見出した。人民解放軍は、紛争時に米軍の情報システムを無能力化するために努力するだろう。更に重要インフラへの攻撃も例外的状況で考慮するだろう。
中国はサイバー空間を、商業上の機密を盗み、批判的な個人や組織に嫌がらせをするためにも使っている。
オバマ政権は、反撃し始めた。2月20日、ホワイトハウスは商業機密窃取を防止するいくつかの構想を明らかにした。同じ考えの国と共に、懸念国の指導者に圧力を加える外交、窃取についての国内での調査と起訴、情報共有、国内法の改善である。これは防衛的措置で重要だが、攻撃的措置も取るべきである。
攻撃的措置が勢いを得ているかも知れない。昨年、司法省は「国家安全保障サイバー専門家ネットワーク」(National Security Cyber Specialists’ Network:NSCS)を作った。約100人の検事が、「捜査と起訴がサイバー攻撃の抑止と阻止にどんな役割を果たし得るか」との研究課題を与えられている。
議会はサイバー攻撃関与者の商活動禁止も検討すべきである。議会は、外国主権免除法で、テロの場合同様、サイバー攻撃関与者にも免除を認めないようにすべきである。
最近のマンディアント社の例に見られるように、会社や情報機関はサイバー攻撃の源を特定し得るようになってきている。19世紀に海賊に対してしたように、私人に許可を与え、米の民間会社が報復をなし得るようにすべきと言う学者もいる。新法や既存法の利用で、中国政府に評判または金銭面でのコストを支払わせうる。