京都画壇を率い、近代日本画の発展に寄与した竹内栖鳳(せいほう)。土田麦僊(ばくせん)や小野竹喬(ちっきょう)、上村松園(うえむらしょうえん)など、後進の育成にも力を注いだ人柄からか、京都では今も親しみを込めて“栖鳳さん”と呼ぶ人が少なくないという。近代日本画史に大きな足跡を残した栖鳳の代表作を集めた本格的な展覧会が、東京国立近代美術館で開かれる。
*展示期間 9/25~10/14(東京展)、
11/12~12/1(京都展)
会場には、栖鳳の主要作品を中心とした約100点の本画に加え、素描などの資料約50点が並ぶ。中には、初出品となる京都・神泉苑に奉納された絵馬「龍神渡御の図(りゅうじんとぎょのず)」をはじめ、「富士図」や「花に蔵」など、実物を見る機会がまれな作品も少なくない。動物画の傑作として名高い「斑猫(はんびょう)」など、徹底した観察を基に対象の本質に迫る作風に、改めて驚嘆させられることだろう。
展示は年代ごとに分かれ、画家としての出発点となる古画の模写から、明治33(1900)年のパリ万博視察のための渡欧体験に基づく作品、さらに常に新しい表現に挑戦し続けた晩年へと続く。幕末の京都に生まれ、昭和初期に至る激動の時代を生きた、栖鳳の画業を振り返る格好の機会となる。
竹内栖鳳展─近代日本画の巨人─
<開催日>9/3~10/14*会期中、展示替えあり
<会場>東京都千代田区・東京国立近代美術館(東京メトロ東西線竹橋駅下車)
<問>☎03(5777)8600
*10/22~12/1 京都市美術館に巡回
http://seiho2013.jp/
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