2022年8月14日(日)

喧嘩の作法

2013年9月12日

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久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

「このあたりの金額で手をうちませんか」と囁くパテントトロール (イメージ写真、提供:アフロ)

 各社が自社のプログラム解析費用の見積もりを終え、金額の大きさに途方に暮れる頃に、トロールは半分以下の金額、例えば3000万円を提示し、和解しないかと個別に囁く。それにより折れる企業が次々にでてくる。最後まで戦う企業は多額の費用を使うのだが、その上で素人の陪審員たちに自社が使っているプログラムが侵害していないと説得するのは、複雑な特許であればあるほど困難である。ここですぐに和解して折れる企業と認識されると次のときにもまた被告として選ばれることになる。

 これだけでも知っておけば、被告企業間で連携し相手の特許をつぶすことに全力をあげ、金の続く限り戦うべきということになる。トロール側の仕掛けはトロールの仕事をしたことのある弁護士からアドバイスを受けながらこちらの作戦を考えればいい。結果として戦う姿勢のある強い企業は次では敬遠される。それが実戦の教訓である。

 今、トロールの範疇に入る存在は全世界で数百ある。彼らは技術の進歩に全く貢献しない。パテントトロールという限り、そこにはトトロのような存在はいないのである。

◆WEDGE2013年9月号より

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