洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)は、京都の市中と郊外の風景を俯瞰的に描いた絵図。室町時代末期から江戸時代にかけて数多く制作され、400年前の京都の町並みや四季折々の風俗などの緻密な描写は、往時を伝える貴重な資料となっている。100点ほど現存する洛中洛外図の中から、国宝あるいは重要文化財に指定されているのは7件のみ。このすべてが見られる展覧会が開かれる。
「洛中洛外図屏風 舟木本」 重文
江戸時代・17世紀
東京国立博物館蔵
織田信長が上杉謙信に贈ったとされる、洛中洛外図の最高峰「上杉本」をはじめ、岩佐又兵衛による生き生きとした人々の描写が魅力の「舟木本」など、会場にはきらびやかな黄金の屛風絵が並ぶ。舟木本の細部は高精細画像でも紹介、都の賑わいが垣間見られるのも楽しい。
また、京都を象徴する、京都御所、二条城、龍安寺の3カ所の障壁画の数々も出展。かつて龍安寺を飾った襖絵(ふすまえ)で、現在はニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の「列子(れっし)図襖」が初の里帰りを果たす。二条城からは狩野探幽の「松鷹(まつたか)図」を含む84面の障壁画が一挙公開されるなど、居ながらにして京都の美をたっぷりと堪能できる。
特別展 京都─洛中洛外図と障壁画の美
<開催日>10月8日~12月1日 *会期中、展示替えあり
<会場>東京都台東区・東京国立博物館 平成館(山手線上野駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/exhibition/04.html#pano_walk
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