同時に、反米主義はプーチン政権の腐敗からロシア人の注意をそらすのに使える。ある推計では、プーチンとその一党は、国富の15%を支配している。ロシア経済は2000年代の7.2%から今年の第2四半期には1.2%まで成長が鈍化した。石油の高価格に頼っており、中東の不安定は好都合である。プーチンはモスクワでの支持を失ってきているが、ソ連への郷愁を呼び起こすシリアへの対応により、保守層や地方で支持を増やしている。
シリアに関するロシア提案のおかげで、我々は過去のどの時よりロシアに頼っている。しかしプーチンは、これまで、善意を米国に示したことはない。米国の政策当局者が将来それに頼るのは賢明ではなかろう、と論じています。
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この論説は、細かい点では議論の余地はありますが、大筋では正しいと思われます。
プーチンの反米主義は明らかであり、プーチンはそれを利用して、国内での支持固めや国際社会の舞台裏での役割強化をしています。プーチンが反米である理由は、米国のNGOなどの民主主義推進が自分の統治に脅威を与えており、米政府がその後ろにいると考えているからでしょう。そういう証拠には枚挙のいとまがありません。
また、プーチンは、旧ソ連の時代を懐かしがっているようにも見えます。もちろん旧ソ連の復活が不可能なことは知っていますが、その現代版に当たる、ユーラシア連合設立などの夢を見ています。
こういう体質を持ったプーチンとの間で、オバマが、米ロ関係のリセットなど、関係改善を図っても上手くいかないでしょう。プーチンに利用されるだけに終わる可能性があります。
プーチンは、確かに、ソ連崩壊後のロシアに安定をもたらすという重要な役割を果たしました。ただ、彼の役割はすでに終わっており、ロシアの今後の発展にとっても、むしろ足かせになる怖れがあります。
日本もプーチン後を視野に入れ、プーチンの腐敗体質、それに伴う国民的支持の弱まりや反西側志向を考慮して対応するのが正解でしょう。プーチンの言動を見ると、プーチンとの間で領土問題を解決できるかのような幻想を抱きながら動いても、結果は出ないように思われます。
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