2024年5月22日(水)

BBC News

2024年4月25日

アメリカで24日、動画投稿アプリ「TikTok」について、事業売却か利用禁止のいずれかを迫る法案が成立した。これを受け、運営する中国企業バイトダンスは、「違憲」な法律だとして法廷で争う構えを示した。

ジョー・バイデン米大統領はこの日、バイトダンスがTikTokのアメリカでの事業を9カ月以内に売却しなければ国内での利用を禁止するとする法案を含む、法案パッケージに署名した。

この法律は、TikTokが中国政府とユーザーデータを共有するかもしれないとの懸念から整備された。

TikTokの周受資・最高経営責任者(CEO)は、TikTokに動画を投稿し、法案の成立を非難。「私たちは自信がある。法廷で皆さんの権利のために戦い続ける」、「事実と憲法は私たちの側にある。(中略)安心して大丈夫だ、私たちはどこにも行かない」と述べた。

また、TikTokがいかに生活を向上させたか投稿してほしいとユーザーらにアピール。「これはTikTokに対する禁止であり、あなたとあなたの声に対する禁止だ」と訴えかけた。

これとは別に、TikTokは声明で、「事実と法律」は「明らかに」同社側にあるとの考えを表明。

「私たちはアメリカのデータの安全を守り、自分たちのプラットフォームに外部の影響や操作が及ばないようにするために何十億ドルも投資してきた。それが事実だ」と主張した。

TikTokはこれまで、バイトダンスについて「中国やその他の国のエージェント(代理人)ではない」と説明。株式の6割を世界的な投資会社が所有していることから、中国企業ではないと主張している。

一方、米上院情報委員会のマーコ・ルビオ副委員長(共和党)は、「私たちは何年もの間、アメリカで最も人気のアプリの一つを中国共産党がコントロールするのを許してきた。(中略)危険なほど近視眼的なことだった」とコメント。

「新たな法律は、中国の所有者にアプリの売却を求める。アメリカにとって良い動きだ」とルビオ氏は付け加えた。

禁止にはハードルとの指摘

複数の専門家はBBCに対して、今回の立法は重大なものだとしつつ、TikTokの利用禁止は最高裁まで争われる可能性が高く、実際に禁止となるまでには数年かかる可能性があると説明している。

TikTokがアメリカの若者に人気が高いことも、法的措置のハードルになるかもしれない。

「アメリカの若者の3人に2人近くがTikTokのアカウントを持っている」と、英オックスフォード大学のアンドリュー・シュビルスキー教授は指摘。「言論の自由と表現の自由が、主な争点になるだろう」と述べた。

そして、「国連の子どもの権利条約は極めて明快に、若者には情報に接する権利と遊ぶ権利があるとしている。その点から法律の合法性を問う可能性がある」とした。

米ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所のジェニファー・ハドルストン氏は、売却には規制当局の相当の調査が必要で、長い時間がかかるかもしれないと説明。「この規模の取引で9カ月はかなり短い」と述べた。

また、「TikTokをアメリカで売却するとはどういうことなのか。本当に可能なのか。買い手はどんな人物なのか。そららの疑問が残る」とした。

欧州では中毒性が問題に

TikTokは、他のアプリと同種のユーザーデータを収集している。しかし、米政府はそれが中国政府の手に渡ることを懸念している。同社はそのような心配は不要だと、かねて主張し続けている。

TikTokをめぐる懸念は、アメリカ以外の国でも課題となっている。フランスとスペインでは、アプリの利用時間に応じてユーザーに報酬を支払うTikTok Liteの報酬プログラムについて、同社は一時停止することで合意している。

欧州連合(EU)のティエリー・ブルトン欧州委員は、この機能は特に子どもに対して「有毒で中毒性がある」と指摘。対策が講じられない限り、利用できなくすると迫っている。

EUはこの機能について調査を継続すると表明している。

(英語記事 TikTok vows to fight 'unconstitutional' US ban

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cgxwnn9exl5o


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