2024年5月22日(水)

BBC News

2024年4月29日

イスラエルによるガザ地区空爆で4月1日にスタッフ7人が殺された国際食料支援団体は28日、援助活動を再開する方針を明らかにした。

慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」のエリン・ゴア代表は声明で、同僚7人の死を悼み続けるとしたうえで、「ガザの人道状況は依然として深刻だ」と述べ、「陸海空を経て、できる限りたくさんの食料を、ガザ北部を含めてガザに引き続き届ける」と発表した。

「私たちは、前と同じようにエネルギッシュに、誇りをもって、できるだけ多くの人に食べ物を提供することに注力していく」と、ゴアCEOは表明。

「すでに約800万食にあたる食料を積んだトラック276台が、ラファ検問所を通過する用意ができている。ヨルダンからもトラックを派遣する。さらに海路やアシュドド港の活用も検討している」と説明した。

さらに、ガザ地区で3カ所目となる「生産性の高い」調理・配食施設を設置する方針を示した。

ガザ地区に必要な食料など援助物資を届ける国際NGOの中でも、WCKは大きい役割を担っていた。スタッフがイスラエル軍に殺害される事態を経ても支援活動再開を決定したことについて、ゴアCEOは、「これ以上はないほど厳しい状況にある人たちのもとを訪れ、食料の提供を続けるというミッションを継続しなくてはならないと判断した」と説明した。

4月1日にガザ地区中部デイル・アル・バラフで、WCKスタッフが乗っていた車両がイスラエル軍に空爆された。3発のミサイルによる空爆のためわずか4分の間に、25歳から57歳の、イギリス人3人、パレスチナ人、オーストラリア人、ポーランド人、アメリカとカナダの二重国籍の男性の計7人のWCKスタッフが殺害された。

この攻撃について、WCKは第三者による国際的な事実関係調査を求めている。

ゴアCEOは、「イスラエル国防軍(IDF)は攻撃について謝罪し、『深刻な過ち』と呼び、作戦行動に関する規則を変更したと話す。私たちは確実な約束は受けていないものの、引き続き回答と変化を求め続ける。最悪の人道状況において自分を顧みずに働く、WCKとすべてのNGOスタッフをより良く守るために。公平な国際調査を私たちは引き続き求めている」と述べた。

攻撃されたWCKのチームは、食料を沿岸部から倉庫へ運ぶ作業を手伝っていた。当日のこの活動は、あらかじめイスラエル軍の承認を得ていた。IDFは軍内部で複数の間違いと連絡ミスが重なった結果、現場部隊がWCKの車両と職員をイスラム組織ハマスと誤認し、標的にしたのだと説明している。

IDFによると、援助物資を運ぶWCKの車列の近隣に「複数の武装戦闘員」がいたものの、ドローン操作の担当者が誤って、援助スタッフを乗せた車両を追跡してしまったのだという。

WCKの活動再開発表とは別にIDFは28日、ガザ地区に搬入される援助物資の量は数日中に大幅に増やされると述べた。

報道官のダニエル・ハガリ少将は声明で、「食べ物、水、医療物資、シェルター用の備品などが、これまで以上にガザに運び込まれる」と明らかにした。

ハガリ少将によると、イスラエル軍はアメリカ中央軍と連携し、船から海岸への荷揚げ用に「仮設桟橋」を造っていると説明した。

国連は、ガザ地区での飢饉(ききん)は「ほとんど避けがたい」段階まで切迫しており、すでに複数の子供が餓死していると警告している。

ガザ地区での戦争は昨年10月7日にハマスがイスラエル南部を攻撃し、民間人を中心に約1200人を殺害し、約250人を人質にしたことで始まった。

ハマス運営の保健省によると、これを受けたイスラエル軍のガザ攻撃で、これまでに民間人を中心に3万4454人が殺害された。

(英語記事 World Central Kitchen to resume aid in Gaza following fatal airstrike

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c72p7je0d9no


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