2024年11月23日(土)

Wedge REPORT

2014年1月28日

 アクターさんは、日本の大手カー用品会社や経営コンサルティング会社などを経て、独立した。オークションには8月末から参加し、3カ月間に大型車など25台を出品。約3000万円(利益300万円)を売り上げた。このうち450万円で売れたトラックは、青森県の物流会社が新車に買い換えるとの情報を知人のパキスタン人から入手し、アクターさんが即金で買い取った。

 「ガラクタのような中古車もみんな『お金』だよ。年明けからは輸出も始めたい」と意気込む。

SNSのつながりで
アフリカ市場を目指す

 全国各地のオークション会場で落札された中古車の一部は、こうしたバイヤーを通して輸出される。

 日本中古車輸出業協同組合によると、12年の中古車(バス・トラック含む)の輸出先はロシア(14万台)、ミャンマー(12万台)、アラブ首長国連邦(8.8万台)の順に多かった。ただし、上位20カ国のうち6カ国はアフリカ。特に、英領だった国々は、日本と同じ右ハンドル圏で、ケニア(4.5万台)、タンザニア(2.3万台)、ザンビア(1.8万台)は13年実績が10月の時点で12年実績を超える好調ぶりだ。

 こうした需要に注目し、12月からは通関・物流業の大森廻漕店(神戸市)が中古車も運べる、日本初の東アフリカ向けコンテナ輸送を開始。アクターさんも注目する。

 「アフリカのケニア、ウガンダ、ザンビアなどには、APUで知り合った友人がいて中古車を輸入している。中東のドバイにはAPU出身のパキスタン人がいるので中継貿易もできる。いつも彼らとフェイスブックなどのSNSを使って、情報交換しているよ」とアクターさん。

 日本の中古車が世界で評価される背景の一つには、貪欲なパキスタン人たちの「功績」もあったのだ。

◆WEDGE2014年1月号より










 

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