米大統領選挙の投票が5日、東部や中西部などの州で始まった。有権者が早朝から続々と投票所を訪れ、一票を投じている。一部の州を除いて同日夜(日本時間6日午後)までに投票が終わり、開票が進められる。民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の事実上の一騎打ちとなっており、接戦が予想されていることから、現地メディアがいつ当選確実を出すかは不透明な状況だ。
米西海岸で5日午前7時(日本時間6日午前零時)になった時点で、カリフォルニア、アイダホ、ネヴァダ、オレゴン各州でも投票が始まった。これでアラスカとハワイ両州を除き、ほぼ全国で投票が始まったことになる。
コネチカットやニューヨークなど東部、ケンタッキーやイリノイなど中西部、ルイジアナやテキサスなど南部の各州などで、投票所に有権者の列ができている。
この日までに8200万票以上が、期日前投票で投じられたとされる。
ハリス候補はソーシャルメディア「X」で、「アメリカ、皆さんの声を届ける瞬間です」、「投票締め切りまですべての有権者に働きかけられるよう、手伝ってください」などと書いた。
トランプ候補は投票開始を受けて「X」で、「公式に投票日だ! アメリカの歴史で一番大事な日になる。有権者の熱意はずば抜けている。みんな、アメリカを再び偉大にしたいからだ。ということは、行列は長くなる! どれだけ時間がかかってもみんなに投票してもらう必要がある。列から外れないで!」などと投稿した。
トランプ候補はこれに先立ち、投票開始前に自分の「トゥルース・ソーシャル」で、「今こそ投票を! みんな一緒にアメリカをまた偉大にできるように!」と書いた。
米大統領選では、人口などを基に各州に割り振られている選挙人計538人のうち、270人以上を獲得した候補が勝者となる。ほとんどの州では、その州で勝った候補が選挙人を「総取り」する。
メディアが特定の候補に当選確実を出しても、対立候補が負けを認めず再集計を求めたり、法廷闘争に持ち込んだりして、勝者が確定するまで長い日数がかかる可能性もある。
アメリカではこの日、大統領を選ぶほか、大統領の政策が法制化され実現するかを大きく左右する連邦議会選も同時に行われている。連邦上院(定数100)の3割にあたる34議席が改選対象のほか、下院(定数435)は全議席が回線対象。
さらに有権者は州ごとに、その州の重要課題についても投票する。妊娠の人工中絶の規制に関する住民投票は、激戦州アリゾナとネヴァダを含めて10州で行われている。
大麻の医療利用や娯楽利用については、フロリダ、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタの4州で投票にかけられている。
(英語記事 Voting begins in key states with Trump and Harris neck and neck in polls)