ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は6日、ウクライナ軍が北朝鮮兵と初めて衝突したと明らかにした。
ウメロフ国防相は韓国の民放KBSとのインタビューで、北朝鮮兵の「小規模なグループ」が攻撃を受けたと述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の「北朝鮮との最初の戦闘は、世界の新たな不安定の章を開く」と述べた。同大統領は先に、北朝鮮部隊に対する西側の対応の欠如を非難していた。
一方で韓国は「(双方の軍が)直接交戦したとは考えていない」としながらも、少数の北朝鮮兵士が「最前線近くで」関与した「出来事」があったと述べた。
ウクライナは今回、推定1万1000人の北朝鮮兵が、ウクライナ軍が足場を確保しているロシア・クルスク州の国境地域にいたと発表した。
韓国とアメリカの情報機関、そして北大西洋条約機構(NATO)はここ数週間、北朝鮮部隊がロシアの戦争に関与している証拠を目撃したと発表している。
しかし、ロシアと北朝鮮はこれまでのところ、一連の疑惑には直接回答していない。
ウクライナの偽情報対策の責任者、アンドリー・コヴァレンコ氏は4日の時点で、メッセージアプリ「テレグラム」で、「北朝鮮の第1軍部隊が(中略)すでにクルスクで砲火を浴びている」と述べた。
その後、ウメロフ国防相はKBSとのインタビューで、北朝鮮部隊の「かなりの数」が戦闘に参加する予想だと述べた。一方で、「今のところは小規模な接触にとどまっており、全面的な交戦には至っていない」と付け加えた。
また、北朝鮮兵の大半は依然として訓練中だと付け加えた。
「北朝鮮兵はロシア軍の制服を着用し、戦術訓練を受け、ロシア軍の様々な指揮下で前線に配備されている」とウメロフ氏は述べた。
同氏によると、約3000人の北朝鮮兵で構成される五つの部隊が、戦場全体に配備される可能性が高いという。
死傷者が発生しているかどうかについては言及しなかった。
北朝鮮がこうした動きを見せているという報告は韓国も警戒しており、両国の緊張が高まっている。
先月末、韓国政府は駐韓ロシア大使を呼び出し、北朝鮮軍のウクライナからの「即時撤退」を求めた。また、ウクライナへの直接的な武器供給を検討していることも警告した。
アナリストらは、北朝鮮は兵士と引き換えに金銭を受け取っている可能性がある、あるいはロシアの軍事技術へのアクセス権を与えられている可能性があると述べている。
こうしたなか、ロシア議会は6日にも、6月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が北朝鮮を訪問した際に提案された、北朝鮮との包括戦略条約を批准する投票を行う予定だ。
この条約は、いずれかの国に対する「侵略」が発生した場合に、ロシアと北朝鮮が相互に支援を行うことを約束するもの。
(英語記事 Ukraine says it fought N Korean troops for first time)