フランスのエマニュエル・マクロン大統領は29日、2019年に大火災に見舞われてから修復作業が続いていたパリのノートルダム大聖堂を見学した。
見学ツアーはテレビ中継され、多くの人が、再公開を目前に控えた新しいノートルダム大聖堂の内部を初めて目にした。
修復作業に携わった多くの職人に向けた演説でマクロン大統領は、「ノートルダムの火災は国民をひどく傷つけた。あなたたちの意志と労働と献身が、傷をいやす治療薬となった」と述べた。
「私は深く感謝している。フランスは深く感謝している」、「あなたたちはノートルダムをよみがえらせた」と、大統領は付け加えた。
火災は2019年4月15日の夜に発生。世界中の人々が、ノートルダム大聖堂の屋根に広がるオレンジ色の炎と、崩れ落ちる19世紀の尖塔のライブ映像を見て愕然(がくぜん)とした。
約600人の消防士が出動し、消火活動は15時間にわたった。
この火災による死傷者はいなかった。
大聖堂は、火災前からすでに構造上の問題が懸念されており、当時は外部の改修工事が行われていた。火災の原因としては、作業員が残したたばこや電気系統の故障が考えられている。
改修工事の総費用は7億ユーロ(約1120億円)。巨大な屋根の改修のほか、1850年代の前回の修復以来となる、内部の汚れやすすの清掃も行われた。
アンドリュー・ハーディング・パリ特派員が報告する。