アフガニスタンで実権を握っているタリバンのハリル・ハッカニ難民担当相が11日、首都カブールの内務省内で起きた自爆攻撃で殺害された。タリバンが2021年に同国で権力を奪還して以来、最も高位の犠牲者となった。
内務省関係者によると、ハリル・ハッカニ氏がオフィスを出る際に爆発が発生。同氏を含めた7人が死亡した。
ハリル・ハッカニ氏は、タリバン内の強力な派閥であるハッカニ・ネットワークのトップメンバーであり、アメリカから国際テロリストに指定されていた。
この攻撃については、イスラム武装組織「イスラム国(IS)」が自分たちによるものだと主張している。
IS系のメディア、アマク通信によると、ISの戦闘員がハッカニ氏のオフィスの外で待ち伏せし、同氏が出てきたところで爆発物を起爆させた。
ロイター通信は、タリバンの報道官もハッカニ氏がISによって殺害されたと追認したと報じている。
ハリル・ハッカニ氏の兄ジャラルディン・ハッカニ氏は、1980年代にアフガニスタンでソヴィエト連合軍と戦った有名なゲリラ指導者であり、タリバンの20年にわたる反乱の中で多くの攻撃を行ったハッカニ・ネットワークを設立した。
また、ハリル氏のおいで、ジャラルディン氏の息子のシラジュディン・ハッカニ氏は現在、タリバン政府の内務相を務めている。
2021年に外国軍が完全撤退し、タリバンが完全に支配権を握って以来、アフガニスタンの全体的な治安状況は改善しているが、国内では毎年数十件の爆破や自爆攻撃が続いている。
これらの多くについては、タリバンの主要なライバルであるISの地域支部「イスラム国ホラサン州(ISKP)」が犯行声明を出している。