デンマーク自治領グリーンランドのムテ・エーエデ自治政府首相は13日、防衛および鉱業資源の探査に関してアメリカとの協力を強化したい考えを表明した。
エーエデ首相はデンマークの首都コペンハーゲンでの記者会見で、ドナルド・トランプ次期米大統領と協力する方法を模索していると述べた。次期大統領は最近、グリーンランド支配に再び関心を示しており、目的達成のために軍事力や経済力を使う可能性を排除しないと発言している。
デンマークの外相もこの日、アメリカの正当な利益確保に向けたトランプ氏との「対話を続ける」ため、グリーンランドと協力する用意があると述べた。
グリーンランドは北米大陸から欧州大陸への最短ルートに位置しており、アメリカにとって戦略的に重要な場所だ。アメリカはすでにグリーンランドに大規模な宇宙施設を所有している。
また、バッテリーやハイテク機器の製造に不可欠なレアアース(希土類)の埋蔵量は世界有数の規模を誇る。
トランプ氏は大統領1期目の2019年にグリーンランド購入の意向を示して以来、繰り返しその関心を表明し、アメリカおよび国際的な安全保障のために「絶対に必要だ」としている。
エーエデ首相は先に、グリーンランドは「売り物ではないし、今後も売り物にはならない」と述べている。他方、「世界全体との協力と貿易に対して開かれている」ことの重要性を強調している。
エーエデ首相はこの日の記者会見で、次期トランプ政権と対話を開始する準備ができていると述べた。
しかし、領土の利用については「グリーンランドの問題」であり、「合意すべき内容を決定するのはグリーンランドだ」と強調した。
デンマークのラース・ルッケ・ラスムセン外相もエルサレムでの記者会見で、トランプ氏のグリーンランドへの関心の再燃について言及。「トランプ次期大統領と争うつもりはない」と述べた。
「トランプ氏には特有の要望の表現方法がある。現在我々が行っているのは、次期大統領とのより詳細な対話に入ることだ」
「アメリカが北極圏の安全保障状況について懸念を抱いていることは分かっているし、我々もそれを共有している」
そのうえでラスムセン氏は、デンマークがグリーンランドと緊密に協力し、トランプ氏との対話を続けて「正当なアメリカの利益」を確保する用意ができているとした。
トランプ氏はグリーンランドのほか、パナマ運河の取得を望んでいることを表明している。また、カナダをアメリカの51番目の州にするために「経済力」を行使すると約束している。