2025年12月13日(土)

BBC News

2025年12月2日

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、詐欺罪で7年の禁錮刑を言い渡され収監されて間もなかった元投資運用責任者デイヴィッド・ジェンタイル受刑者について、減刑した。ホワイトハウス報道官が1日、これを認めた。

複数の米報道や連邦刑務所局の記録によると、11月14日に収監されたジェンタイル元受刑者は同26日に釈放された。

資産運用会社GPBキャピタルの創業者、ジェンタイル元最高経営責任者は、投資ファンドの運用成績を偽り1万人以上の投資家をだましたとして、昨年8月に証券詐欺と通信詐欺の罪で有罪判決を受けた。連邦検察は、罪状について「数年にわたる詐欺スキーム」だと説明していた。

トランプ大統領はこれまでに、複数の経済事件で有罪となった経営者らの刑を減刑している。

ジェンタイル元受刑者と共に起訴されたジェフリー・シュナイダー被告は同じ罪で6年の刑を言い渡されており、来年1月に収監される見通し。

ジェンタイル元受刑者の判決言い渡しにあたり、ジョセフ・ノセラ連邦検事は、GPBキャピタルは「うそを基盤として」築かれた会社だと指摘。投資家の資金を元手に他の投資家への分配金を支払いながら16億ドルを稼いだと述べた。

「今日言い渡された刑は当然のもので、投資家を食い物にして金持ちになろうと、詐欺師を志願する者たちは、そのようなことをしても刑務所行きの片道切符しか得られないのだという警告として受け止めるべきだ」とノセラ検事は陳述していた。

しかしホワイトハウスは、ジョー・バイデン前大統領の下で司法省が複数の誤りを犯したと主張。GPBキャピタルの投資家たちは、自分の資金が他人の配当金に充てられる可能性を認識していたとしている。

「このことが投資家に開示されていたにもかかわらず、バイデン政権の司法省はこれを投資詐欺だと主張した」、「しかし、GPBは投資家たちに何が起きるかを明示していた。この事実によって(バイデン政権の主張は)大きく覆された」とホワイトハウス関係者は話した。

ホワイトハウス関係者はさらに、ジェンタイル元受刑者が、検察が虚偽の証言を引き出したと懸念を示していたのだと明らかにした。

トランプ氏による減刑は、完全な大統領恩赦のように元受刑者への有罪判決を消滅させるものではなく、判決に伴う他の刑罰の可能性を排除するものでもない。

トランプ大統領は2期目に入ってから、通信詐欺、証券詐欺、税務詐欺、医療詐欺など、さまざまな詐欺で有罪判決を受けた複数の人物に恩赦を与えたり、減刑したりしている。11月初めには、詐欺、資金洗浄、共謀の罪で有罪判決を受けたテネシー州のグレン・キャサダ前州下院議長に恩赦を与えた。

(英語記事 Trump releases fraudster executive days into prison sentence

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cgr1gxpykzjo


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