world rice

2014年9月8日

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 開発に携わった笹原英樹主任研究員に話を伺うと、「寿司用とは限定していないが、粘りがなくても美味しいコメ」を目指したとのこと。

 すでに、上越市内のほか、東京都内などの寿司店に流通し、作付けも福島県や長野県、島根県など一部の地域で行われているようです。ただ、都道府県の奨励品種に定められていないため、知名度が低く、生産量は「まだまだ」といいます。

 笹原氏は「全国的に、コシヒカリを目指して品種改良が進んでいるので、コシヒカリ以外の品種を評価することが少なくなっている。コシヒカリだけあれば幸せかといえば、必ずしもそうではないと思う」と悩みを語っていました。

 では、その「笑みの絆」とはどのような味のコメなのでしょうか。実際に、同品種とコシヒカリをブレンドして使っている上越市内の寿司店で、食べてみました。よくそろった大きな粒で、口に入れると程よくほぐれましたが、弾力を持ったしっかりとした粒は、少し「重い」シャリに感じました。とはいえ、新鮮なネタとのバランスも良く「美味しい寿司を食べた!」と満足できるものでした。

 海外の寿司店では、カラフルなご当地ロール(巻き寿司)が目を楽しませてくれます。しかし、楽しむことはできても、シャリはお世辞にも旨いとは言えない店もたくさんあります。

 今は知名度が低く、生産量が少ないという寿司向けの「笑みの絆」ですが、海外での日本食の広がりや、寿司ブームを支えるため、寿司用米として戦略的に輸出することも、本当の日本食を味わってもらうには大切でしょう。そして、そうした戦略が日本のコメ産業の活性化につながるのです。

◆Wedge2014年8月号より









 

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