2026年9月25日(金)

Wedge REPORT

2026年9月25日

 日系メーカーが特に前面に打ち出していたのは、ハイブリッド車(HEV)を中心とする「xEV」である。なかでもトヨタは、会場に到着する前からHEVをアピールする仕掛けを展開していた。展示場の駐車スペースが限られているため、多くの来場者は近隣のイオンに車を止め、シャトルバスで会場へ向かう。トヨタはこの動線に着目し、イオンにHEVオーナー専用駐車場を設置。さらに、そこから会場まで、昨年11月に発売した7人乗りHEV「ヴェロズ・ハイブリッド EV」に試乗できる〝おもてなし〟を提供していた。

 また、トヨタは今年8月には、定期的にディーラーで点検を受ければ、通常の保証に比べて2年/4万キロ・メートルを追加的に保証する合計6年/16万キロ・メートル保証の「T-Care Extra」を発表した。HEVの商品力に加え、販売からアフターサービスまでを含めたバリューチェーンを強化することで、他社との差別化と既存顧客の囲い込みを図る狙いである。

インドネシアでみた
日系メーカーの四つの反撃策

 GIIASで筆者が強く感じたのは、日系にはまだインドネシア市場で反撃の余地があることである。その方向性として、四つのポイントが挙げられる。

 一つ目は、日系が強い製品力をもつセグメントに徹底的にリソースを投入し、ラインナップや商品力を強化することである。例えば、「トヨタ・ヴェロズ」、「三菱Xpander」など人気の高い3列シート・7人乗りのMPVセグメントでは、中華系はまだ本格的に参入しておらず、日系はシェアがあまり下がっていない。MPVはファミリーカーであり、家族で長く使う傾向があり、ユーザーは耐久性と品質の高い日系ブランドを選好する傾向が強い。

 二つ目は、ハイブリッドを中心とするテクノロジーをブランディングし、その優位性をアピールする戦略であり、イオンのハイブリッド専用駐車場にみられるように、特定のユーザーに絞った「おもてなし」も顧客の心をつかむ上で重要だ。

 三つ目は、トヨタの新しい保証「T-Care Extra」のようなバリューチェーンビジネスの強化である。

 四つ目は、国への貢献をはっきりとアピールすることである。トヨタは今年2月に開催されたIIASからGIIASまでトヨタ・アストラ・モーター設立55周年を記念して「Toyota Ada Untuk Indonesia」(Toyota for Indonesia)」のキャンペーンを展開しており、具体的にはトヨタのハイブリッドモデルが現地生産のバッテリーなど現地部品を使って製造されていることを強調している。

 これら四つの方向性は、高い品質、強固なサプライチェーン、信頼性の高いアフターサービスなどの「日系の優位性」をさらに強化しようとする取り組みと言えよう。

 日系の次の打ち手として、中華系のコックピット周りなどの先進的なデザインやスマートフォンによる操作性の高さなど、「中華系の差別化要因」に直接対抗する「同質化戦略」を展開することも重要になるだろう。

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Wedge 2026年10月号より
大膨張する日本の借金 「国民総ゆでガエル」から脱却を
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日本の借金が大膨張を続けている。債務残高対GDP比は200%を超え、世界最悪の水準にある。こうした中で、「消費減税」が打ち出されたが、この選択の先に待ち受けているものは何か。もちろん、本当に必要な支出もあり、「借金=すべて悪」とは言い切れない面もある。しかし、あまりにも身の丈を超えすぎていないか。将来世代に過大な負担をかけないためにも、適切な給付と負担は不可避であり、それこそ民主主義の基本だ。財政再建に向けて、打開策はゼロではない。現実を直視し、今こそ、新たな一歩を踏み出さなければならない。


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